バンガードCEOジャック・ブレナン、米国投信業界の変化を振り返る(前半)

世界最大級の運用資産規模を誇る投資信託会社、バンガードがお届けする運用コラム。世界経済を大局的にとらえ、正しい運用のあり方を示唆します。(現在は更新しておりません)

バンガードCEOジャック・ブレナン、米国投信業界の変化を振り返る(前半)

 ジョン・J.ブレナンがバンガードのCEOに就任したのは1996年1月でした。それは、ちょうどFRBアラン・グリーンスパン議長が、当時高騰していた株式市場を「根拠なき熱狂」と指摘したのと同じ年です。今回はブレナン氏に、CEOに就任してからの10年間に米国金融サービス業界で起こったことや、今後の見通し、さらには投資を成功させるために投資家ができることについて話を聞きました。

 この10年で金融サービス業界はどのように変化したと思いますか?

 ブレナン:意味のある大きな変化があったといえるでしょう。1996年当時、上げ相場は14年目を迎えようとしており、株価のバブルはピークを迎えようとしていました。まさに金融サービス業界が非常に高揚していた時期でした。しかし、21世紀に入ると、一転して市場はかつて類をみないほど最悪の下げ相場を迎えたのです。それは73年から74年の下げよりも長く深刻なものでした。
 我々の業界は、その期間、様々な角度から試練を与えられたといえるでしょう。下げ相場のダメージ、損失を被った投資家、ウォール・ストリートのリサーチが必ずしも正しいとは限らないという認識、顧客の利益を疎かにした一部の企業への疑惑、そしてそれに続く大きな金融規制の波などです。時間外取引や、不正なマーケット・タイミング戦略、その他の不祥事の露呈は衝撃的で非常に残念なことでした。最近では保険会社をめぐって新たな疑惑が浮上していますが、これらのすべての出来事は経済界全体に大きな影響を及ぼしました。
 しかしながら、結果的に見て、これら一連の出来事がもたらしたものは悪いことばかりだったわけではありません。投資家はこれまで以上に企業の信頼性を意識するようになりました。また、企業は非倫理的な近道は結局失敗に終わることを理解しました。顧客を重視しない企業は企業間の競争に耐えることはできないでしょう。この数年間で金融サービス業界に多くの苦痛を伴う変化が訪れたのは事実ですが、結局この変化は「最も重要な関係者」にとって良い結果をもたらしました。それは言うまでもなく「投資家」です。
(次回後半に続く)

マネックスからのご留意事項

「バンガード・海外投資事情」では、マネックス証券でお取扱している商品・サービス等について言及している部分があります。
マネックス証券でお取引いただく際は、所定の手数料や諸経費等をご負担いただく場合があります。お取引いただく各商品等には価格の変動等による損失が生じるおそれがあります。また、信用取引、先物・オプション取引、外国為替証拠金取引・取引所株価指数証拠金取引をご利用いただく場合は、所定の保証金・証拠金をあらかじめいただく場合がございます。これらの取引には差し入れた保証金・証拠金(当初元本)を上回る損失が生じるおそれがあります。

商品ごとに手数料等及びリスクは異なりますので、詳しくは「契約締結前交付書面」、「上場有価証券等書面」、「目論見書」、「目論見書補完書面」又は当社ウェブサイトの「リスク・手数料などの重要事項に関する説明」をよくお読みください。

マネックスメール登録・解除

コラム一覧