バンガードCEOのジャック・ブレナン、米国投信業界の変化を振り返る(後半)

世界最大級の運用資産規模を誇る投資信託会社、バンガードがお届けする運用コラム。世界経済を大局的にとらえ、正しい運用のあり方を示唆します。(現在は更新しておりません)

バンガードCEOのジャック・ブレナン、米国投信業界の変化を振り返る(後半)


(前回に引き続き、ブレナン氏へのインタビュー後編です。)

金融機関が投資家からの信用を取り戻し始めたという兆候はありますか?
ブレナン:
 米国投信業界に関して言えば、過去1年半のニュースは一部の投信会社に対する投資家の不信感を喚起しました。しかし、痛手を被ったのは、投信業界全体というよりは、一部の限られた投信会社だけでした。業界全体としてみると、投資家離れは少ないと思われます。実際にファンドへのキャッシュフローも非常に積極的です。

 金融業界全体では、すべての問題が明るみに出されたかどうかが投資家の関心事でしょう。業界全体が投資家の信頼を失ったとみる向きもあるかもしれませんが、私はそのようには考えていません。なぜなら、ほとんどの投資家が「悪いのは金融業界全体ではなく、不祥事に関わった一部の企業や担当者だ」と認識しているからです。投資家は取引をするのに相応しい企業を見つけるでしょう。
そして確かに信頼に足る企業も多くあります。

今後、米国投信業界には、どのような変化が予想されますか?

ブレナン:
 バンガードにおいては、今後も基本的価値観や核心的な投資哲学に変化はありません。もちろん、単に市場の一時的な流行を取り入れるのではなく、投資家の長期的な視点からのニーズを満たすためにおいての、「変化」は必要ですが。

 金融業界は今後も金融制度や規制の変化の影響を受けるでしょう。これにより従来の業界の中でのビジネスのやり方も変化していくと思われます。質の高いファンドが最良のリターンを出すことがより明確になり、そのためコストがより重要視されるようになるでしょう。繰り返しますが、これらは全て投資家にとってよい結果をもたらすものです。

投資家が投資を成功させるために最も重要なことは何ですか?

ブレナン:
 まず、自分を知ることです。それは他のどの要因よりも、投資家を成功へと導きます。これまで市場において投資家は、よい時期、悪い時期、そして回復の時期を経験してきました。これによって投資家は「なぜ自分は投資をしているか」「投資の目的は何か」「自分のリスク許容度はどのくらいか」を自問する機会を得ました。投資家にとって、これらを理解していることは、投資の決断をする上で大きな自信となるはずです。

 さらに次の2点が重要です。まず、信頼できる投信会社を見つけること。次に世間の雑音に惑わされないことです。投資家は新聞の見出しやテレビなどから容易に心を動かされがちです。私の知る限り、成功している投資家の大部分は、それが個人投資家でも非常に洗練された機関投資家であっても、このことをよく理解しています。しかし、忘れてはならないのは、たとえ信頼できる投信会社であっても、その役割は補助的にすぎないということです。投資家にとって必要なのは、「自分を知っていること」と「自分の決断に自信を持つこと(惑わされないこと)」なのです。

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