コア(核)とサテライト(衛星)

世界最大級の運用資産規模を誇る投資信託会社、バンガードがお届けする運用コラム。世界経済を大局的にとらえ、正しい運用のあり方を示唆します。(現在は更新しておりません)

コア(核)とサテライト(衛星)

 今日は、ファンド・ポートフォリオの組み立て方について、一つのアイデアをご紹介します。

 それぞれ運用手法の異なるタイプのファンドに複数投資することは、よく分散化されたポートフォリオを構築するために不可欠なことですが、実際にどのようなファンドを選ぶべきなのかは、なかなか難しい問題です。その解決方法の一つに「コア/サテライト戦略」という考え方があります。

 これは、インデックス・ファンドをポートフォリオの「コア(核)」として置き、二種類以上のアクティブ・ファンドを「サテライト(衛星)」として保有する投資手法です。

 「コア(核)」としてインデックス・ファンドを保有するメリットは、長期的にみた場合におけるパフォーマンス優位性や幅広い銘柄に投資する分散投資効果、そして言うまでもなく低コストにあります。一方で、「サテライト(衛星)」としてのアクティブ・ファンドの強みは、運用に対する柔軟性の高さや市場平均を上回るパフォーマンス結果への期待などがあげられるでしょう。そして、これら両方のファンドを組み合わせることで、対極にあるそれぞれの運用方法の利点を両方取り入れることができるのです。

 次に、ポートフォリオ内でのコアとサテライトの構成比率を考えてみます。本来なら、ファンド・マネージャーの運用能力をもって、アクティブ・ファンド比率を決めたいところですが、それを見極めるのは極めて困難だといわれています。そこで、実践的な方法として、全体の投資資産の50%をアクティブ・ファンドに割り当て、コア・ファンドであるインデックス・ファンドの投資対象に関連性の深い、わかりやすい投資スタイルのアクティブ・ファンドを4つ、それぞれの市場の比重に比例して購入するというのも1つの手です。

 米国株式市場を例にとってみると、まず、コア・ファンドとしてトータル・ストック・マーケット・インデックス・ファンドをポートフォリオの50%に投資した場合、サテライト・ファンドとしては、大型成長株ファンド17.5%、大型割安株ファンド17.5%、中小型成長株ファンド7.5%、中小型割安株ファンド7.5%の構成などが考えられます。

 最後に、サテライトとしてアクティブ・ファンドを選ぶ際の注意点ですが、まず、他の投資スタイルと同じく、コストは重要な要因となります。高コストのファンドから、高いリターンをあげることは難しく、次第にポートフォリオ全体に悪影響を及ぼすでしょう。 

 また、ポートフォリオを構成するすべてのファンドから、同時にプラスのリターンが得られるなどと期待しないでください。それぞれファンドが違う動きをするからこそ、全体のポートフォリオが強化されるのです。

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