あなたのポートフォリオはインフレ対策ができていますか?

世界最大級の運用資産規模を誇る投資信託会社、バンガードがお届けする運用コラム。世界経済を大局的にとらえ、正しい運用のあり方を示唆します。(現在は更新しておりません)

あなたのポートフォリオはインフレ対策ができていますか?

 米国では昨年、消費者物価が低位安定で推移したため、消費者はガソリンや食料品などの物価の動きをそれほど気にする必要もなく、消費者物価指数(CPI)の動向や専門家の物価予想にもあまり関心が持たれなかったようでした。
 しかし、すべての投資家にとって、インフレは実質的な購買力を目減りさせるという点で見落とすことのできない問題だといえるでしょう。

 「一般的に、多くの投資家はインフレ率上昇を投資リスクとして捉えてはいません」(バンガード投資カウンセリング・グループの投資アナリストDonaldBennyhoff 氏)

 歴史的にみると、高インフレ期は、中・低インフレ期に比べると頻繁ではなく、期間も短い傾向にあります。しかし、将来的な物価の上昇が、消費支出やポートフォリオに与える影響を予測するのはほとんど不可能です。CPIは総合的な家計の消費支出のアイテムを計測の対象としていますが、多くの投資家の資産は医療費、住宅費、教育費など特定の価格の変動により大きく影響されると考えられるため、ポートフォリオのインフレ調整後の実質リターンを保つための「万能な」インフレ対策はない、と言えるでしょう。

 他のアセットクラスと比較すると、MMFの元本リスクは比較的低いと考えられていますが、インフレ期間において常に実質プラスのリターンを出すという保証はありません。債券投資はクーポンが固定され、CPIが変動しても満期の元本価値が調整されないため、インフレの影響を特に受けやすいといえます。時間の経過とともにインフレによる資産価値の浸食は顕著になるため、投資予定期間が長ければ長いほど将来的な資産の購買力の変化に対して準備が必要です。

 「インフレ環境下でも現在の投資のペースを保つことが重要です」
(Bennyhoff氏)しかし、実質リターンを確保する投資戦略を立てようとするのであれば、投資家は投資予定期間を十分考慮に入れる必要があるでしょう。短期的な投資計画に対しては、まず投資元本の確保に比重が置かれるべきです。なぜなら、インフレがかなり過小評価されていたとしても、インフレのインパクトは抑えられる傾向にあるためです。一方、より長期的な投資計画では、比較的高い実質リターンが期待される株式に投資するのもよいでしょう。

 「CPIと連動して消費支出が増加することを懸念している投資家は、インフレ連動債へ投資することでインフレがポートフォリオへ及ぼす影響を抑えられるかもしれません。」(Bennyhoff氏)インフレ連動債は、時間の経過とともにインフレ率の変化に応じて元本と利子が自動的に調整されるように設計されており、インフレを意識する投資家に適した金融商品であるといえるでしょう。-----
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