ポートフォリオも「定期健診」

世界最大級の運用資産規模を誇る投資信託会社、バンガードがお届けする運用コラム。世界経済を大局的にとらえ、正しい運用のあり方を示唆します。(現在は更新しておりません)

ポートフォリオも「定期健診」

 みなさんの中にも年に1回、定期的に健康診断を受けておられる方は多いと思います。人間さながら、ポートフォリオも毎年「定期健診」して資産配分を見直すことをおすすめします。今日は、ポートフォリオを見直す際のポイントについてご紹介しましょう。

日にちを決めましょう
 一般的には、1年に一回見直しすることがのぞましいと言われています。誕生日や何かの記念日のような覚えやすい日を選んで、習慣づけるのもよいかもしれません。「手元に資産の記録が揃っている確定申告と同じ時期にやるのも一つの手でしょう。しかし、いつ行うかはそれほど重要ではありません。ポートフォリオを全く見直さないことのほうが問題です」(バンガード・パーソナル・ファイナンシャル・プランニング・サービス、トッド・フェルド氏)
必要であればリバランスしましょう
 年1回のポートフォリオの「定期健診」で最も重要なことは、株、債券、短期金融商品の資産配分比率が当初自分の決めたものから逸れていないかを確認することです。市場の変動によって、ポートフォリオ内の資産配分比率が偏ってしまっていたら、「リバランス」といって、それを調整する必要があります。「目安としては、5パーセンテージ・ポイント以上、当初の投資目標から逸れていたら、リバランスを行うことをおすすめします」(トッド・フェルド氏)
 「リバランスの目的は、リターンを増やすというよりはむしろ、リスク・コントロールにあります」(トッド・フェルド氏)ポートフォリオを定期的に正しくリバランスしていないと、パフォーマンスが良好なアセット・クラスの比重が大きくなっていき、当初意図していた以上(あるいはそれ以下)のリスクに曝される可能性があります。そこで、新しい投資資金を使って、比重の低いアセット・クラスのシェアを増やし、リバランスするという方法があります。(この方法は比重の高い資産を売却しないですみます)

個人的な状況に変化がありましたか?
 もう一つ考えなければならないポイントは、前回ポートフォリオを見直した時期から、個人的な環境に変化があったかどうかです。例えば、退職が近づいてきた、大学の教育資金が必要になったというのであれば、資産配分を保守的な方向に調整する必要があるかもしれません。また、結婚や離婚、子どもが生まれたなど、家族に変化があった場合は、保険・年金の受取人の変更なども必要でしょう。

市場の予測に頼るのはやめましょう。
 「個別のファンドの直近のパフォーマンスに固執したり、市場の動きを読もうとしすぎないでください。流行のファンドに飛びついたり、市場予測をもとに投資するのは、長い目で見ると結局うまくいかないことが多いものです」(トッド・フェルド氏)

 例えば、昨年の始め、米国の投資家の一部は、金利の引き上げと債券価格の下落を予測して債券を手放しました。ところが予想に反して2004年の債券のリターンは約4.3%のリターンを出しました(出所:リーマン・ブラザーズ・アグリゲイト・ボンド・インデックス)。債券を手放し、MMFに投資していたとすれば、どうなったでしょう? 同期間のMMFのリターンはわずか1%未満だったのです。(出所:リッパーインク)

 定期的にポートフォリオを見直すことの必要性がおわかりになっていただけたでしょうか?みなさんもこれを機に、ポートフォリオがバランスよく分散されているか、長期的な投資目標から逸れていないかをもう一度確認してみてはいかがでしょうか。

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