投資信託が持つ分散投資のメリットとは?

世界最大級の運用資産規模を誇る投資信託会社、バンガードがお届けする運用コラム。世界経済を大局的にとらえ、正しい運用のあり方を示唆します。(現在は更新しておりません)

投資信託が持つ分散投資のメリットとは?

 株と言えば個別銘柄投資、とお考えですか?今日は個別銘柄の投資があなたの全保有資産(ここではポートフォリオと呼びましょう)に及ぼす影響と、分散投資のメリットについて考えてみましょう。

 分散投資は投資信託の重要なメリットです。一つのファンドは様々な産業の何十、何百もの銘柄に分散投資されており、単独の企業や産業の問題に由来するリスクが軽減されるように設計されています。長期投資プランの実現には分散投資が不可欠であり、低コストやバイ・アンド・ホールド戦略などと同様、バンガードが提唱する「投資を成功させる法則」の一つにあげられます。
分散投資がリスクを軽減
 バンガードの投資カウンセリング&リサーチ(IC&R)の調査によると、1995年から2004年までの期間において、マイナスのリターンとなった個別銘柄は、全銘柄のうち16%に及んだのに対して、同期間のリターンがマイナスだった株式ファンドはわずか1%にすぎませんでした。

個別投資の市場リスク
 個別銘柄の株価がポートフォリオのリターンに及ぼす影響と、分散化された投資信託がいかにリスクを軽減するかについて、ある事例をご紹介しましょう。
 2005年2月25日、米国のバイオテクノロジー会社、Biogen Idec社(マサチューセッツ州・ケンブリッジ)は、多発性硬化症治療剤であるTysabriの販売と臨床試験を自主的に中止しました。米国の医薬品の安全性に対する関心の高まりが同社に販売中止を決定させたと言えるでしょう。

 この発表の後、投資家はBiogen Idec社の株を売りにかかりましたが、それを待たずに同社の株価は大暴落しました。2月25日の終値が67.28ドルだった株価は、週末を挟んで28日には38.65ドルまで暴落したのです。つまり、BiogenIdec社の株価は前日比43%も下落したことになります。

 当然のことながら、Biogen Idec社の株式を保有するファンドも株価の下落の影響を受けました。しかし、それは個別に銘柄を保有していた場合に比べるとはるかに限定されたものでした。
 アクティブファンドの中には単独の銘柄が4%から5%の割合で組入れられるものもありますが、その場合でも複数の銘柄に分散投資されているため、個別の株価の下落による損失が緩和されることが期待できます。 (逆に言えば、ファンドに組入れた銘柄の株価上昇から得られるリターンは、株式を単独で保有するよりは抑えられます)

 ポートフォリオを分散化させるには、多様な産業や企業の銘柄を少なくとも100以上保有する必要があるという専門家もいます。しかし、これは多くの個人投資家にとっては時間や費用がかかりすぎ、効率的であるとは言えません。投資家にとって効率のよい分散投資が期待できる投資信託は、投資目標を実現するための優れた投資手法であるといえるのです。

(注記)
・いかなる投資信託もリスクを回避することはできません。
・分散投資は、投資家に確実に利益をもたらすことを保証するものではありま せん。また、市場が下落している場合、投資家を損失から保護するものでは ありません。

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