アセット・アロケーションで考慮すべきこと

世界最大級の運用資産規模を誇る投資信託会社、バンガードがお届けする運用コラム。世界経済を大局的にとらえ、正しい運用のあり方を示唆します。(現在は更新しておりません)

アセット・アロケーションで考慮すべきこと

 「投資目標を達成するための確実な方法の一つは、自分の投資目的、投資期間そしてリスク許容度をもとに、分散投資を行なうこと。」最近よく耳にするようになったこのアセット・アロケーションの定石も、実は最初に提唱されたのは20年以上も前のことです。そして、その重要性は今も全く変わりません。
 過去20年間の米国市場データに基づく調査で、株式、債券、短期金融商品の配分比率の決定が、ポートフォリオの長期リターンや変動リスクに大きな影響を与えていることがわかっています。資産を分散することで、特定の市場(例えば株式市場)の上昇が他の市場(例えば債券市場)の下落による損失を相殺させ、ポートフォリオ全体のリスクを軽減することができるのです。

 さらに一歩進んで、同じ資産でも違うタイプのファンドに投資することによって、よりポートフォリオの分散化をはかることができます。たとえば、アクティブ・ファンドとインデックス・ファンドを同時に保有するような場合です。これによって、二人の投資家が、同じ期間中、同じ資産配分のポートフォリオを保有していたとしても、投資結果に差がでる可能性があります。

アクティブ・ファンドとインデックス・ファンドの役割

 バンガードの研究調査によると、アクティブ・ファンドのリターンは、概してインデックス・ファンドのリターンに勝つことが難しいことがわかっています。その理由として、ファンド内での積極的な証券売買に関するコストが、ファンドのリターンにマイナスの影響を与えてしまっている可能性があります。一方、インデックス・ファンドは、銘柄を頻繁に入れ替えず、「バイ・アンド・ホールド」戦略に則って、ベンチマークのパフォーマンスに追随することを目指しており、低コスト運用を特徴としています。

 ただし、ポートフォリオにアクティブ・ファンドを組入れることで、ベンチマークを上回るパフォーマンスが得られる可能性があるということも確かです。そのため、ポートフォリオ内のアクティブ・ファンドと、インデックス・ファンドは、適切なバランスをもって共存可能です。この保有比率を決める際に考慮すべき事は、ポートフォリオ全体を余計なリスクに晒すことのない範囲で、これらのアクティブ・ファンドから、どの程度追加のリターンが期待できるかということでしょう。

 バンガードの調査によると、パフォーマンスが一貫してベンチマークより上回っていたアクティブ・ファンドは、下回っていたものと比較して、運用コストが低かったことが明らかにされています。ポートフォリオにアクティブ・ファンドを組入れる際は、できるだけコストの低いものを選ぶことがポイントといえるかもしれません。

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