債券のインデックス運用を語る

世界最大級の運用資産規模を誇る投資信託会社、バンガードがお届けする運用コラム。世界経済を大局的にとらえ、正しい運用のあり方を示唆します。(現在は更新しておりません)

債券のインデックス運用を語る

インデックス運用のリーディング・カンパニー、バンガード社の債券運用エキスパート、ボルパート氏に米国における債券インデックス・ファンド事情について語ってもらいました。

インタビュアー:債券インデックス・ファンドが米国の投資家に受け入れられている理由と、債券ファンド全体に占める割合を教えてください。

ボルパート氏:債券ファンド全体に占めるインデックス・ファンドの割合は確実に増えています。10年前は課税対象の債券ファンドに占める割合はわずか1.6%程度でしたが、今日ではおよそ8%にもなっています。リターンを目減りさせる取引コストをできる限り抑えるために、投資家は「低コスト」の債券インデックス・ファンドを選んでいる、ということが言えると思います。

インタビュアー:債券インデックス・ファンドを運用するにあたって、重要と思われることは何ですか?

ボルパート氏:目標とするベンチマーク・インデックスの動きにできる限り連動した投資成果を出せるよう努める事です。ただし、これはそれほど容易なことではありません。債券インデックスの構成銘柄は非常に多く(リーマン・ブラザーズ・アグリゲイト・ボンド・インデックスでおよそ6,000銘柄)、それだけの銘柄を実際に保有するのは必ずしも効率的ではないからです。米国バンガードの場合は目標とするインデックスのリスク要因を反映した代表的な銘柄のサンプルを選別し保有しています。

 このインデックスのリスク要因とは、債券のデュレーション、イールドカーブのねじれ、セクターの範囲や種類、信用度、社債発行体の分散度合などを言います。特に近年、社債に関して分散度合を高めることは、ファンドがインデックスに追随するのに効果的な役割を果しています。

インタビュアー:投資家が債券インデックス・ファンドに投資することで得られる利点は?

ボルパート氏:まず、一般的に債券インデックス・ファンドの総コストがアクティブ・ファンドと比較して安いことがあげられます。

 多くのアクティブ・マネージャーは、ファンドの運用コストを補う高いリターンを出すために、利回りは高くても信用度が低い債券に投資したり(これには通常、信用リスクが伴います)、金利の動きを先読みした運用をしています。こうした投資手法は、長い目でみると取引コストがかさみ、平均するとコストを補うだけのリターンを獲得することが難しくなります。

 一方で実際のパフォーマンスにも注目してみましょう。リッパー・アナリティカル・サービス及びリーマン・ブラザーズ・アグリゲートの情報に基づくバンガードの調査によれば、米国長期国債に投資するアクティブ・ファンドの99%が、ベンチマーク・インデックスにアウトパフォームされています。(2004年12月現在・過去10年間で計測・経費控除後、但し、ベンチマーク・インデックスは経費率を0.2%と仮定)

 株式ファンドほど一般的ではない債券インデックス・ファンドですが、その利点を改めて見直してもよいでしょうね。

マネックスからのご留意事項

「バンガード・海外投資事情」では、マネックス証券でお取扱している商品・サービス等について言及している部分があります。
マネックス証券でお取引いただく際は、所定の手数料や諸経費等をご負担いただく場合があります。お取引いただく各商品等には価格の変動等による損失が生じるおそれがあります。また、信用取引、先物・オプション取引、外国為替証拠金取引・取引所株価指数証拠金取引をご利用いただく場合は、所定の保証金・証拠金をあらかじめいただく場合がございます。これらの取引には差し入れた保証金・証拠金(当初元本)を上回る損失が生じるおそれがあります。

商品ごとに手数料等及びリスクは異なりますので、詳しくは「契約締結前交付書面」、「上場有価証券等書面」、「目論見書」、「目論見書補完書面」又は当社ウェブサイトの「リスク・手数料などの重要事項に関する説明」をよくお読みください。

マネックスメール登録・解除

コラム一覧