ポートフォリオにインデックス・ファンドとアクティブ・ファンドを共存させるメリット(その2)

世界最大級の運用資産規模を誇る投資信託会社、バンガードがお届けする運用コラム。世界経済を大局的にとらえ、正しい運用のあり方を示唆します。(現在は更新しておりません)

ポートフォリオにインデックス・ファンドとアクティブ・ファンドを共存させるメリット(その2)

アクティブ・ファンドは潜在的に高いリターンを得られる可能性があると言われますが、実は、インデックス・ファンドは大多数のアクティブ・ファンドよりも優れたパフォーマンスを示す特性があります。インデックス・ファンドがターゲットとするインデックスに的確に連動すれば、投資家は市場のパフォーマンスからコストを差し引いた分のリターンを得ることになります。実際に長期的に見ると、インデックス・ファンドのリターンは多くのアクティブ・ファンドを上回っていることがわかります。さらに、平均的なファンドのパフォーマンスはコストに大きく左右されるため、コストが低ければ低いほど、より高いリターンが期待できるといってよいでしょう。

 一般的な米国株式ファンド群を例に取り、エクスペンスレシオ(ファンドの総コスト)とリターンの関係をみてみましょう。

エクスペンスレシオ(総コスト) / 平均年率リターン
0.5 % 以下              12.05%
0.51%-1.00%              11.67%
1.01%-1.50%              11.23%
1.51% 以上               9.16%

注)データは2004年12月末までの10年間。出所:リッパーインク
(ただし、この数字は過去の実績であって、将来のパフォーマンスを保証するものではありません。)

 これらのデータから、アクティブ運用のファンドマネージャーが市場をアンダーパフォームするのは、マネージャーの技量不足というよりは割高なコストに起因しているということが言えるかもしれません。

より高いリターンをめざすために
 インデックス・ファンドの投資家であってもアクティブ運用のメリット、すなわち(それほど高い確率ではないにしても)市場を上回る可能性を求め、アクティブ・ファンドに投資するのでしょう。

「市場が完全に効率的ではない限り、アクティブ・ファンドはベンチマークを上回るリターンを出す可能性があります。」(ゴードン氏)
「一方、インデックス・ファンドは、ベンチマークを大きく上回ることは期待できないと思っておいたほうがよいでしょう」

 もちろんインデックス・ファンドも市場周期に影響をうけます。2000年から2002年のような深刻な下げ相場では、一般的にインデックス・ファンドの投資家もアクティブ・ファンドの投資家同様に損失を被りました。しかし、インデックスが投資対象とする市場セグメントや投資スタイルのパフォーマンスには、一定の周期があります。例えば1990年代の上げ相場に資産規模が大きい企業の株価が急上昇した時には、大型株や小型株といった特定のセグメントに投資したインデックス・ファンドは、アクティブ・ファンドよりもパフォーマンスが上回る傾向にありました。しかしその逆に、ここ数年のように、多くのアクティブ・ファンドがインデックス・ファンドを上回る可能性もあるのです。
 また、インデックス・ファンドの投資家は、インデックスの構成銘柄の定義に違いがあることも知っておいたほうがいいでしょう。例えば、グロース株、バリュー株、あるいは大型株、中型株、小型株の定義は、それぞれのインデックス提供者によって違いがある、ということです。

マネックスからのご留意事項

「バンガード・海外投資事情」では、マネックス証券でお取扱している商品・サービス等について言及している部分があります。
マネックス証券でお取引いただく際は、所定の手数料や諸経費等をご負担いただく場合があります。お取引いただく各商品等には価格の変動等による損失が生じるおそれがあります。また、信用取引、先物・オプション取引、外国為替証拠金取引・取引所株価指数証拠金取引をご利用いただく場合は、所定の保証金・証拠金をあらかじめいただく場合がございます。これらの取引には差し入れた保証金・証拠金(当初元本)を上回る損失が生じるおそれがあります。

商品ごとに手数料等及びリスクは異なりますので、詳しくは「契約締結前交付書面」、「上場有価証券等書面」、「目論見書」、「目論見書補完書面」又は当社ウェブサイトの「リスク・手数料などの重要事項に関する説明」をよくお読みください。

マネックスメール登録・解除

コラム一覧