ホット・ファンドに注意

世界最大級の運用資産規模を誇る投資信託会社、バンガードがお届けする運用コラム。世界経済を大局的にとらえ、正しい運用のあり方を示唆します。(現在は更新しておりません)

ホット・ファンドに注意

先日ワシントンで行われたG7(先進七カ国財務相・中央銀行総裁会議)において、石油価格の高騰に伴うリスクを指摘した声明が発表されました。米国では、多くのエネルギー関連銘柄と、それらの組入ファンドの価格が急上昇しています。しかし、投資家は注意が必要です。エネルギー・セクターファンドのような、人気ファンド(いわゆるホット・ファンド)に投資する際には、次のような点を考慮すべきでしょう。

1. パフォーマンスを追いかける投資には要注意

 現在、高いパフォーマンスのファンドに投資したとしても、リターンを最大限に享受できる機会は既に逃しているかもしれません。

 「投資については昔から、-安く買って高く売れ-と言いますが、これを完璧に実行できる人はほとんどいないでしょう。もちろん、エネルギー関連銘柄のファンドに投資しても長期的によいリターンを享受できる可能性はありますが、それよりも大切なのは、そのファンドが自分のポートフォリオに本当に適しているかどうかということです」(ジョゼフ・ブレナン氏・バンガードのポートフォリオ・レビュー・グループの責任者)結局、長い目でみれば、流行で金融商品を選ぶのではなく、バランスがとれたポートフォリオを保有し続けることが投資の成功のカギだと言えるでしょう。

2. 上昇している銘柄は、やがて下落することが多々あります

 ある時点で特定の業種やファンドが好調であるからといって、今後も同じであるとは限りません。 (1990年代後半にIT関連株に投資した投資家はおそらく経験ずみでしょう。) エネルギー関連銘柄の価格は70年代に暴騰し、80年代に入って急落しました。今後再び供給過剰に陥る可能性がないと誰が断言できるでしょう。

3. エネルギーセクターは他のセクターよりも不安定です

 すべての業種が市場の変動の影響を受けますが、エネルギーセクターは特に予測が難しいセクターです。エネルギーセクターの健全性は、その大部分が世界で最も危険で不安定な地域の諸条件に左右されます。 つまり、エネルギー関連銘柄の価格は、予測が困難で統制が不可能な要因に影響され、変動するのです。

 「これまで多くのファンドが、エネルギーセクターにかなりの投資をしてきました。もし十分に分散化されたポートフォリオを保有している投資家であれば、過去2、3年の間にすでにエネルギー関連銘柄からのリターンを得たのではないでしょうか。」(ブレナン氏)

 言い換えれば、すでに分散されたポートフォリオを保有しているのならば、エネルギー関連銘柄には十分配分されているはずです。そのセクターをこれ以上増やすことは、必要以上にセクターの価格変動リスク負うことにもなりかねません。

 「どのような投資も、リスクとリターンの関係、分散投資の効果、さらに自分のポートフォリオに適しているかどうかなどの観点に基づいて総合的に評価されるべきではないでしょうか」(ブレナン氏)

 最近、徐々に日本でも根付いてきた「分散型ポートフォリオ」という考え方に照らし合わせると、「ホット・ファンド」への過度な投資は十分注意を要すると言えるでしょう。

マネックスからのご留意事項

「バンガード・海外投資事情」では、マネックス証券でお取扱している商品・サービス等について言及している部分があります。
マネックス証券でお取引いただく際は、所定の手数料や諸経費等をご負担いただく場合があります。お取引いただく各商品等には価格の変動等による損失が生じるおそれがあります。また、信用取引、先物・オプション取引、外国為替証拠金取引・取引所株価指数証拠金取引をご利用いただく場合は、所定の保証金・証拠金をあらかじめいただく場合がございます。これらの取引には差し入れた保証金・証拠金(当初元本)を上回る損失が生じるおそれがあります。

商品ごとに手数料等及びリスクは異なりますので、詳しくは「契約締結前交付書面」、「上場有価証券等書面」、「目論見書」、「目論見書補完書面」又は当社ウェブサイトの「リスク・手数料などの重要事項に関する説明」をよくお読みください。

マネックスメール登録・解除

コラム一覧