「変化の時代と投資の基本原則」

世界最大級の運用資産規模を誇る投資信託会社、バンガードがお届けする運用コラム。世界経済を大局的にとらえ、正しい運用のあり方を示唆します。(現在は更新しておりません)

「変化の時代と投資の基本原則」

バンガードは「投資の基本原則」の重要性をいつも主張してきました。「投資の基本原則」とは、ほとんどすべての市場環境において何世代にもわたって投資家を導いてきた投資の核となる部分で、バンガードではとくに「バランスのとれた分散投資をすること」、「長期的な視野を持つこと」、「コストに注意を向けること」、「リスクを理解すること」、そして「自分の投資目標と投資予定期間にあったポートフォリオを構築する方法を知ること」をあげています。

 今回は、バンガードのCEOジャック・ブレナンに、なぜ今一部の投資家がこの「投資の基本原則」を見失いつつあるように見えるのか、また、なぜこの不確実性の時代にそれが以前にも増して重要であるのかをたずねてみました。
 なぜ今「投資の基本原則」なのでしょうか?

 (ブレナン氏)これまでも伝統的な考え方が時に肯定されたり、否定されたりということは過去何度もありました。これは周期的に起こる試練なのです。だからこそ、古くから伝えられてきた投資における真実は、その時々の風潮や考え方に対峙するかたちで、意識的に強調される必要があります。

 今、私たちが米国株式市場の下げ相場から脱してようやく3年が経とうとしていますが、再び一部の投資家が「基本」を見失っているようにみえます。ヘッジファンドやコモディティのようなオルタナティブ投資が全てだと言う人もいます。そうした投資手法は確かに洗練された資産運用の方法の一つですが、長期的な投資の成功のための最良の方法は、その時の流行を追わないこと、さらに、効果が実証され長期的に実践されてきた方法から逸れないということなのです。これは投資家が折に触れて思い起こさなければいけないことです。
 これらの周期は何によってもたらされているのでしょうか?

 (ブレナン氏)市場が比較的好調な時期は「投資の基本原則」は支持されなくなり、新しい概念に基づいた投資商品がより多く販売されるようになります。しかし、いったん市場が厳しい状況になると、再びそれは見直され始め、人々は“新しい”ものが必ずしも“より良いもの”とは限らないことに気がつくのです。90年代後半の米国市場はまさに活気のある時期でした。そのときもやはりデイトレーディングやドットコム企業が脚光を浴びる中で、インデックス運用や分散投資のような投資コンセプトはその有効性が立証されているにもかかわらず、時代遅れのように受とめられました。ですがその後バブルがはじけると、その伝統的価値は突然また脚光を浴びるようになりました。すべての投資家、特に株式投資家にとって、その時期は試練の時だったといえますが、債券や安全資産とのバランスを考慮したポートフォリオをもっていた投資家の痛みはかなり抑えられていたからです。

 市場はこの3年間まずまず順調に推移しましたが、私は投資家に対し、今、再び「投資の基本原則」を思い出してもらえるよう期待しています。

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