「引退用資金を管理するための簡単な5つのルール」

世界最大級の運用資産規模を誇る投資信託会社、バンガードがお届けする運用コラム。世界経済を大局的にとらえ、正しい運用のあり方を示唆します。(現在は更新しておりません)

「引退用資金を管理するための簡単な5つのルール」

米国で人気のあるバンパー・ステッカー(車のバンパーに貼るシール)の文句に「引退しました。:仕事も、ボスも、請求書も、お金も、そして、心配ごともありません。」というのがあります。

 かなり誇張された言い回しではありますが、一部はあたっているかもしれません。でも、ほとんどの退職者には「請求書」と「お金」は残っています。(そして彼らはその管理を「心配」しなければなりません)

 実際に引退用資産から資金を引き出すにあたっては、少なくとも最初に資産を貯め始めた時と同じくらいの自己管理が必要です。今日は引退用資産を管理する際に役立ついくつかの簡単なルールをご紹介しましょう。

1.支出には慎重になりましょう

 引退直後の数年間は、支出に慎重になってください。

 「まず、30年もしくはそれ以上の長きに及ぶかもしれない引退生活に入る際には、十分慎重になったほうがよいでしょう」と、ジョン・アメリクス氏(バンガード投資カウンセリング&リサーチグループ、アナリスト)は言っています。
 退職した人の中には年間の支出を貯蓄の4%に制限している人もいます。これはバンガードがお勧めしている方法です。また、自分が必要だと思う資産残高を決め、それを維持できる割合で支出をしている人もいます。

 潜在的なリスクを考慮し、引退直後の支出をコントロールすることは非常に重要です。「引退後の早い段階で、投資収益が低く(あるいはマイナスに)なってしまうと、引退用資産が目減りしてしまう可能性もあります。また、自分が予想以上に長生きする可能性も考慮しなければならないでしょう」(アメリクス氏)

2. 税制優遇措置を最大限に利用しましょう

 何種類かの引退用資産を保有している場合、退職した人の多くはどこから最初に資金を引き出すべきなのかを悩むようです。米国の一般的なケースでご説明しますと、まず分配金、キャピタルゲイン、社会保障の給付金、パートタイムの就労から得られる収入といった通常課税を免れない資産から手をつけるべきだと言われています。

 その後、課税対象の投資資産(相続や寄付をしない場合)、そして従来型のIRA(個人退職金貯蓄)と企業年金プラン、最後にロスIRAから資金を引き出します。(ロスIRAは運用収益の課税が繰延べされるからです)「この方法だと税制優遇措置を受けられる期間を最大限に利用できるでしょう」(アメリクス氏)
3. インフレ分を相殺するために

 インフレは引退用資産の実質的な購買力を落とします。「物価の上昇から資産価値を守るには、株式関連商品のように物価上昇率をしのぐ成長が期待できる資産や、インフレ連動債を組入れたファンドも保有しておいたほうがよいでしょう」(アメリクス氏)

4. 高リターンで配分比率が高まった資産クラスを売却して、ポートフォリオをリバランスしましょう

 年に二回程度の割合で、このようなリバランスするとよいでしょう。

5. 常にフレキシブルであることを心がけましょう

 「退職後は、ある意味では「金融市場」があなたの「新しいボス」になります」(アメリクス氏)「金払いが悪い時もありますし、そうかと思えばボーナスをくれる時もあります。要は、適切な資産配分を維持する一方で、必然的な市場の変動に応じて支出を調整する柔軟さが大切なのです。」

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