世界最大級の運用資産規模を誇る投資信託会社、バンガードがお届けする運用コラム。世界経済を大局的にとらえ、正しい運用のあり方を示唆します。(現在は更新しておりません)
最近の新聞で、金融機関や事業法人、さらには監査法人も含めて顧客の信頼を裏切るような事件が掲載されない日はない、といってもよいでしょう。
今日は、「投資」という観点でこのことを考えてみましょう。
言うまでもなく、私たちの資本市場は国民の信頼の上に成り立っています。しかし、米国の投信市場に関して言えば、その信頼は、ここ数年、ある個人や企業によって酷く傷つけられました。それはひとつの現実ですが、一方で別の見方があるのもまた事実です。それは、「人や企業を信頼していこう、という気持ち無くしては、投資家として成功できはしない」という現実です。
投資判断を下すためには、自分自身を信頼しなければならないでしょう。そして、お金がお金を生み出す方法として「複利」の効果は大きいんだ、ということは認めざるを得ないでしょう。また、長期的な視野で資産を形成するための前提として、経済や金融市場を信頼出来なければならないでしょう。
その上で、さらに、「信頼に足る金融機関」と取引すること、を忘れないでください。
昨今の米国における投信スキャンダルで実証されたように、信用は非常に貴いものです。でも、それは一度壊されれば簡単には回復することができません。企業、資産運用者あるいは市場が「誠実」という言葉を単に広告用のスローガンで使っているようではダメなのです。
結局、私たち一人一人は投資家として、誰を、そしてなぜ信頼するべきであるかを判断しなければなりません。自分の大切な資金を託すのですから、くれぐれも取引相手は慎重に選んでください。もし、投資家に対する利益を第一に考えていないなら(厳しいようですが・・・)他の会社に乗り換えたほうがよいでしょう。
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