米国のベビー・ブーマー世代事情

世界最大級の運用資産規模を誇る投資信託会社、バンガードがお届けする運用コラム。世界経済を大局的にとらえ、正しい運用のあり方を示唆します。(現在は更新しておりません)

米国のベビー・ブーマー世代事情

人口統計学者によると、1946年から1964年生まれの米国ベビー・ブーマー世代(約40歳から60歳)の人口は今や7700万人に及ぶと言われています。

 これまでベビー・ブーマー世代は、1950年代には学校の教室不足をもたらし、最近では住宅購入ブームを引き起こすなど、アメリカの経済や社会に影響を及ぼしてきました。今後も彼らが市場や年金システム、経済におよぼすインパクトは非常に大きいと考えられます。

 米国政府は、ベビー・ブーマー世代が高齢者向けの社会保障制度や医療保険制度の受給を開始すると、国家予算赤字が膨らむと予測しています。また、ベビー・ブーマー世代の引退は、単に財政的な問題だけではなく「老後」のあり方そのものを一変させるものであると考える専門家もいます。

 ジェロントロジー(老年学)の研究で著名な、エイジ・ウェーブ社の社長ケン・ディヒトバルト氏は、バンガードが主催した401(K)プランのスポンサーのための会議で基調講演を行い、次のように述べています。

 「引退後の生活設計には、これまでの「老後」という概念を塗り替える次の3つの要因、すなわち、「長寿」「低出生率」「ベビー・ブーマー世代」を考慮しなければならないでしょう。」

 ディヒトバルト氏によると、米国のベビー・ブーマー世代は財政的な成功度合いを基準に、大きく3つのグループに分かれるといいます。

 「まず、一つ目のグループとして、引退後の生活のために綿密な計画を立て、規則的に貯蓄し、財政的な準備に余念がないベビー・ブーマー世代があります。そして、残念ながらその対極に2500万人におよぶ二つ目のグループが存在します。彼らの負債返済後の総資産は平均してわずか1,000ドル未満で、借金の返済に四苦八苦しています。これまで全く貯蓄せず、何も準備せず、将来のことについて全く考えてこなかった彼らは、老後を迎えても借金返済のためにせっせと働きつづけなければなりません。」

 「そして上記二つのグループの中間に、平均よりも少し長く働く必要があり、その分余暇が削られてしまう人々がいます。しかし、彼らは今までのライフスタイルを少し改めて、年金プランなどを利用して貯蓄を増やし、出費を控えれば、老後はよりゆとりのある生活を送ることができると考えられます。」-----
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