引退のために投資をすることは、決して難しくありません(その1)

世界最大級の運用資産規模を誇る投資信託会社、バンガードがお届けする運用コラム。世界経済を大局的にとらえ、正しい運用のあり方を示唆します。(現在は更新しておりません)

引退のために投資をすることは、決して難しくありません(その1)

スタン・ヒンデン氏は現在79歳。妻のサラとの引退後の生活を楽しんでいます。一方で、彼は金融ジャーナリストとしての長い経歴から、おそらくもっと計画的に引退できていたのではないか・・・と考えています。

 ヒンデン氏は今から10年前にワシントンポスト社を退職し、その後数年間パートタイムで自身の引退についてのコラムを書いていました。そのコラムは後に「幸せに引退する方法:引退する前にあなたがしなければならない12の大切なこと」というタイトルで本として出版されました。

 ヒンデン氏は退職前の生活を振り返り、「日々新聞の締め切りに追われ、“他人の問題を考えることに忙殺されて”、自分の新しい人生の準備にまで目が向けられませんでした」と語っています。

 ヒンデン氏は引退後わずか数年のうちに思いのほか頻繁に退職金に手を付け始めている事に気がついて、もっと正確に収入と支出を把握してから引退すべきだっ
たと後悔しています。

● 引退は「休暇」ではありません。
「引退を長い休暇だと考えていると、一週間程度は幸福感に浸っていられるでしょ
う。しかし、しばらくすると「働かなくては」という焦燥感にとらわれ、ひいては心身の不調を招くこともあります」(ヒンデン氏)

 そのような状況を避けるために、彼は次のような提案をしています。「引退後の人生が15年から 20年あるとすれば、自分が何をしてみたいか、何をすれば幸福でいられるかということを自問してみてください」

 彼の周りにも60歳になってピアノをはじめた人や、絵画や彫刻を楽しんだり、パートタイムで働き続けた人もいます。

 「引退後に長年の夢を実現しようとする人たちにとっては、引退生活は非常に素晴らしく、満足のいく時間となるでしょう」(ヒンデン氏)ヒンデン氏自身も幸運でした。退職した日に編集者からコラムの執筆を勧められ、以来7年間コラムを書き続けました。これが後に本の出版やその他の活動に結びついたのです。
● 新たな視点で、財政的なライフスタイルを想定してください。
ヒンデン氏は、引退後のライフスタイルは、定期的な収入がなくなること(精神的な不安を伴います)、収入の増加があてにできないこと、などを意味すると警告しています。

 また、引退後の支出も変化するでしょう。他の多くの退職者のように、ヒンデン夫妻は健康保険でカバーされない歯科の治療費や処方薬、自己負担金などに予想以上に多くの出費をしています。また、観劇や外食、娯楽、旅行などの余暇に以前よりも多くのお金を支払うようになりました。こうした出費の中には住宅費のように引退後も変わりなく発生する費用もあります。

 ヒンデン氏は退職後の生活では、退職前と同じくらい、あるいはそれ以上の収入が必要になるかもしれないと言っています。

 次週も引き続きヒンデン氏の経験談をご紹介しましょう。

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