ポートフォリオにおける国際株式の役割

世界最大級の運用資産規模を誇る投資信託会社、バンガードがお届けする運用コラム。世界経済を大局的にとらえ、正しい運用のあり方を示唆します。(現在は更新しておりません)

ポートフォリオにおける国際株式の役割

1990年代後半、米国株式市場が海外市場より高いリターンを出していたとき、米国の投資家が海外に投資をするメリットは疑問視されていました。しかし、最近になって国際株式投資への関心は高まっています。

 「多くの投資家にとって、ここ最近のパフォーマンスが良い特定の市場セグメントは魅力的に映るでしょう」と、クリス・フィリップス(バンガードの投資カウンセリング&リサーチ、アナリスト)は言います。「しかし、バンガードは投資家のみなさんに、そのような市場から聞こえる雑音は無視して、あくまで長期投資目標に基づいて資産配分を決めるようにお勧めしています」

 「1つのポートフォリオに国内と海外の株式を併せ持つことで全体のリスクを軽減することができます」(フィリップス氏)リターンの動きが完全に関連づけられない、あるいは全く同じ動きをしないアセットを保有することで、分散投資の効果が得られるのです。

■多国籍企業への投資だけでは十分とは言えません
多国籍企業が増加したため、投資家があえてポートフォリオに国際株式を保有する必要はないという意見もありますが、フィリップス氏はこれに反論しています。

 「これらの企業の株価は、国内の資本市場の要素、経済、金利、その他の市場を動かす要因に影響を受けやすい、という調査結果があります。ですから、確かに多国籍企業の海外における収益や売上げは株価の長期パフォーマンスにインパクトを与えますが、短期的な変動は国内の株式市場の影響をより受けやすいといえるでしょう」

 「投資家のみなさんに申し上げたいことは、多国籍企業がポートフォリオの大部分を占めていたとしても、まだ海外投資を考える余地がある、ということです。」

■新興市場への投資もまた考慮するに値します
このセグメントは、先進国市場よりも流動性が低く、価格変動性が高い傾向にありますが、ポートフォリオを適度に分散させる役割を果たします。

 「新興市場が他の世界の株式市場と全く同じ動きをすることがないので、ポートフォリオ全体の長期ボラティリティを低下させることができます」(フィリップス氏)

 しかし、フィリップス氏は次のようにも警告しています。「新興市場は価格変動幅が大きいので、ポートフォリオの配分比率を高くすることはお勧めできません」

 「新興市場のリスクについては、ひと月足らずでおよそ20%近くも下落した2006年5月がよい例でしょう。相対的に好調なパフォーマンスが続いた直後の急な反落に、対処できなかった投資家もいたのではないでしょうか」

 分散投資のメリットであるリターンとリスクのバランスをとるために、バンガードは、新興市場株式の資産配分は国際株式市場の構成比率に比例させるべきだと考えます。

■長期的な視野を持つこと
国際的な投資で最も大きなリスクの一つは、目先のパフォーマンスを追いかけることです。一方、海外投資を長期的な視野で考えているのであれば、ポートフォリオに国際株式を保有することで分散投資効果が期待できるでしょう。-----
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