大きな視野を持っていますか？

　どのような時でも一歩引いて全体を見ることが大切です。それが家の設計であっても長期投資であっても同じことです。

　しかし「言うは易く」で、実際に実行するのは困難かもしれません。多くの投資家は市場の日々の動きに捕らわれて、次にあげるような“基本的な事実”を見落としがちです。もちろん、これらは過去の実績から見たものですので、将来にわたって必ずそうなる、ということではありませんが、投資において、大事なポイントだと思います。

■市場は上昇と下落を繰り返しています。流行の投資商品もやがて下火になる でしょう。しかし歴史的にみると、株式市場全体は上向きで、極端な上昇や 下落を徐々にならしながら長期的に安定したリターンを出しています。
■1990年代のIT株や最近のエネルギー株のように、今流行の業種やセクターへ の投資をしたとしても、おそらくすでに最も良いパフォーマンスの時期は逃 しているでしょう。そしてその後、価格が下落に転じて後悔することになる かもしれません。

■パフォーマンスが悪いからという理由で売却して手放すと、その後一転して 上昇し始めるというのもよくある話です。ある一定期間アンダーパフォーム していた銘柄は、しばしば次の期間では反転することがよくあるからです。
　「雑音」は無視してください。

　投資で最も難しいことは、人間の本能に抵抗することかもしれません。
　「人間は本能的に“最も美しい絵”に惹きつけられるようにプログラムされています。しかし、投資家はその基本的な人間の本能から自分自身を切り離して、長期的に見て一番重要なことに焦点を合わせるべきです」（バンガードのポートフォリオ・レビュー・グループの責任者ジョゼフ・ブレナン氏）

　「投資のパフォーマンスを評価する場合、それが市場から聞こえてくるものであれ、メディアから聞こえてくるものであれ、多くの雑音を耳にすることになります。それらの雑音に耳を傾けてしまうことで、私たちは重要な事が見えなくなってしまうおそれがあるのです。」（ブレナン氏）