世界最大級の運用資産規模を誇る投資信託会社、バンガードがお届けする運用コラム。世界経済を大局的にとらえ、正しい運用のあり方を示唆します。(現在は更新しておりません)
大統領経済諮問委員会の元メンバーで、バンガードの社外役員も務めていたバートン・マルキール氏は、現在はプリンストン大学の経済学部教授です。彼の著書「ウォール街のランダム・ウォーカー」は100万部以上のベストセラーとなり、今年の初めには第9版が発刊されています。
マルキール氏はこれまでの35年間、流行(はやり)の投資理論を否定してきました。彼は「実際には長期的に市場に勝てる投資戦略というものはほとんど存在しない。何が良い戦略だったのかは結局後になって初めてわかるものだ。」ということをずっと主張してきました。マルキール氏はその著書の中で、インデックス・ファンドを購入すること、頻繁に売買を繰り返さないこと、そして定期的にリバランスすることが投資の成功の秘訣だと言っています。
今回はマルキール氏へのインタビュー内容を2回に分けてご紹介します。
教授は著書の中で過去の間違った投資ブームについて述べておられますが、その中で印象的なものをいくつか紹介してもらえますか?
マルキール氏:16世紀のオランダの話ですが、お金持ちの間でチューリップがブームになったのです。色と縦模様にいくつも種類があるチューリップの球根を彼らは好み、こぞって求めたため、その値段は大きく上昇し始めました。その後、人々は球根を買うことがリッチになるための有効な手段であるかのような錯覚に陥り、あるチューリップの球根が貴族の城と同じ値段で売られるようなばかげた状況に国民すべてが巻き込まれてしまったのです。しかしそんな状況も長くは続きませんでした。チューリップの球根は突然暴落、何の価値もなくなり、最後には道端に転がっているシロモノに成り果てたのです。
これと似たようなことが90年代後半に米国でも起こりました。いわゆるITバブルというものです。「持っていたIT株が何倍にも跳ね上がって大儲けしたよ」当時、誰かがこう話しているのを聞いたことがあるかもしれませんが、結局そのバブルははじけ、時価総額にしておよそ7兆ドルが消えてしまったのです。
これらの過去の経験は私たちが投資を考える上でとても重要な教訓となります。私たちはその時々の流行の投資理論に乗らないことで、むしろ市場平均以上のパフォーマンスが得られる可能性があることに気づくべきなのです。
(次回に続く)
マネックスからのご留意事項
「バンガード・海外投資事情」では、マネックス証券でお取扱している商品・サービス等について言及している部分があります。
マネックス証券でお取引いただく際は、所定の手数料や諸経費等をご負担いただく場合があります。お取引いただく各商品等には価格の変動等による損失が生じるおそれがあります。また、信用取引、先物・オプション取引、外国為替証拠金取引・取引所株価指数証拠金取引をご利用いただく場合は、所定の保証金・証拠金をあらかじめいただく場合がございます。これらの取引には差し入れた保証金・証拠金(当初元本)を上回る損失が生じるおそれがあります。
商品ごとに手数料等及びリスクは異なりますので、詳しくは「契約締結前交付書面」、「上場有価証券等書面」、「目論見書」、「目論見書補完書面」又は当社ウェブサイトの「リスク・手数料などの重要事項に関する説明」をよくお読みください。