世界最大級の運用資産規模を誇る投資信託会社、バンガードがお届けする運用コラム。世界経済を大局的にとらえ、正しい運用のあり方を示唆します。(現在は更新しておりません)
今回は前回に引き続き、100万部以上のベストセラー「ウォール街のランダム・ウォーカー」の著者、バートン・マルキール氏のインタビューです。
― 投資家はポートフォリオに入れるファンドをどのように決めたらよいのでしょうか?
マルキール氏:人それぞれの財政状況や収入、リスク許容度などに応じて異なったポートフォリオが必要です。私はある女性に投資のアドバイスをしたことがありました。彼女はまだ50代前半で、35年以上の平均余命がありますので、ポートフォリオに株式の割合が多くても大丈夫でした。しかし彼女は非常に神経質だったため、私が適切だと思う以上に債券をかなり多めに、逆に株式の割合をかなり少なめにしました。
― 債券の割合が高く株式の割合が低いポートフォリオで、彼女はその後の市場のアップダウンにも耐えられたのですか?
2002年10月のある日、なんと彼女は泣きながら私のところにやって来て、「持っていた株が下落したのですべて売りたい」と言ったのです。
実はこれこそ人々が犯してしまう誤りのひとつなのです。なぜ多くの投資家は株式の長期投資から得られるリターンを得ることができないのでしょうか? それは、彼らが間違ったタイミングで間違ったファンドを買ってしまうからです。皆が楽観的な時にだけ資金をつぎ込み、周囲が悲観的になったときに資金を引き上げようとするからです。
私がそのとき彼女に言おうとしたことは、「今はリバランスする時だ」ということでした。 彼女が今やるべきことは、債券の一部を売って株式を買い増すことだと私は考えていたのです。ところが実際には、株式を全部売ろうとしていた彼女を止めることが精一杯でした。結局のところリバランスは個人の問題なのです。自分自身で判断しなければならないことなのです。
― リバランスはそんなに重要なのですか?
リバランスは非常に重要で、そのために毎年ポートフォリオを見直す必要があります。ポートフォリオが自分のリスク許容度に見合った資産配分からずれていないかを確かめるためです。
― その他に人々が陥りがちな投資の過ちがあれば教えてください。
人々が犯す最大の過ちの一つは、長期投資の重要性を真剣に考えないことです。自分の会社に確定拠出年金プランがあるにもかかわらず、多くの人々が加入していないのには驚きです。プリンストン大学の職員でさえ、個人退職年金プランに加入していない人がいます。長期投資をすること、そしてそれはできるだけ早く始めることが重要です。そして、そのためのお金は生活費とは別に分けておき、お給料が出たら一定の額をすぐ貯蓄に回して使わないようにすることでしょう。
― ありがとうございました、マルキール教授。
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