ウォール街の混乱から自分のポートフォリオを守るために

世界最大級の運用資産規模を誇る投資信託会社、バンガードがお届けする運用コラム。世界経済を大局的にとらえ、正しい運用のあり方を示唆します。(現在は更新しておりません)

ウォール街の混乱から自分のポートフォリオを守るために

 リーマン・ブラザーズの経営破綻が報道された後、米国バンガード本社のコールセンターには、お問い合わせの電話が多く寄せられました。保有されているバンガード・ファンドのリーマン・ブラザーズやメリルリンチ、AIGの株式の保有比率が皆様の心配の種でした。

 リーマン・ブラザーズの経営破綻は、米国の住宅市況が下落しMBS(不動産担保証券)が焦げ付いたことによるものです。バンガード・ファンドの中にはこのリーマン・ブラザーズ株を保有していたものもありましたが、どれも保有比率は極めて低く、ポートフォリオ全体のうち、0.70%以上の比率で組み込まれているものはありませんでした。例えば、現在米国株式市場をもっとも広範囲にカバーしている「バンガード・トータル・ストック・マーケット・ファンド」は0.02%の保有比率でした。(2008年9月12日現在)

 今回のケースで問題なのは個別銘柄のパフォーマンスではなく、金融セクター全体が弱まっていることです。 今年8月末までの1年間で、米国株式市場が約10%下げたのに対して、銀行や証券会社、保険会社といった金融セクターの株価は約30%も値を下げました。
 現在でも株式市場の中で金融セクターは大きな割合を占めています。先ほど例に挙げた「バンガード・トータル・ストック・マーケット・ファンド」の金融セクターへの投資比率は約15%です。 今後の米国金融セクターの動向が注目されるのも無理ありません。

 バンガードのチーフ・インベストメント・オフィサーであるガス・ソーターは以下のように述べています。
 「過去数年間、多くの米国の金融機関は多額の借り入れを行い、多くのリスクを取ってレバレッジを効かして投資してきました。バランスシート(貸借対照表)をきれいにするには、痛みを伴うこともあるでしょう。でも、マーケットはいつか復活することを確信していますし、今は前進あるのみです。もし、今の状況を不安に感じてもニュースに翻弄されすぎないで下さい。多くのバンガードの投資家は、複数の資産へバランスよく"分散投資"を実践されていらっしゃると思います。この乱気流を乗り切るポートフォリオを既にお持ちの投資家も少なくないのではないでしょうか?」

 過去にもこのような危機がありました。1990年代初頭にはジャンクボンド(信用格付けが低く、利回りが高い債券)相場の急落がありましたし、2000年初めにはITバブルの崩壊もありました。長い時を経てその有効性が証明されている"分散投資"は、最近のマーケットの混乱にも効果的であることをのちに証明することと思います。

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