世界最大級の運用資産規模を誇る投資信託会社、バンガードがお届けする運用コラム。世界経済を大局的にとらえ、正しい運用のあり方を示唆します。(現在は更新しておりません)
マーケットが急落し、自分の資産残高がみるみる目減りしてしまうのを見て、「もう投資(特に株式への投資)はやめよう」という心境に至っている方も多いのではないでしょうか。でも、今ここで投資をやめてしまう前に、売りたくなる衝動を抑え、正しい投資行動を取るために「なぜ今投資をやめる必要がないのか」という4つの理由をバンガード投資戦略チームのシニア・インベストメント・アナリストであるドナルドG・ベニーホフのコメントを交えてご紹介します。
理由1:マーケット・タイミングは難しい投資戦略です
今ここで株を売り、経済が本格的に回復しマーケットが落ち着いたところで"買い戻し"しようと考えている方もいらっしゃると思います。この戦略-いわゆるマーケット・タイミング(マーケットが下落する前に売却し、マーケットが実際に上昇する前に投資すること)-は得てして不本意な結果に終わることが多いのです。もしマーケット・タイミングを取るとすると、どのようにその"タイミング"を掴むのでしょうか?マーケットが「今から下落しますよ」と宣言したり、「今が底です」とアナウンスしてくれる訳ではありません。株価は刻一刻と変化します。株価の上昇はある日突然、そしてごく短時間のうちに起こります。この時マーケットから目を離していると、リターンを著しく損なう結果に繋がります。これは時に"アウト・オブ・マーケット(その時マーケットに参加していないこと)・リスク"と呼ばれ、投資決定を行う際に念頭に置かなければならないリスクです。理論的にはマーケット・タイミングは可能だと思うかもしれません。しかし、実際に取ってみるとその難しさを実感することと思います。実際、高値掴みをしたり、安値で売ってしまった経験をお持ちの方もいらっしゃることと思います。
理由2:リターンとは、取ったリスクの対価です
株価の急落によって不安を感じたり、ポートフォリオに深刻なダメージを受けた方も多いと思います。しかし長期的な視点で見ると、株価は一般的に債券や短期金融商品を上回るリターンを上げています。株価は変動リスクがあるからこそ、そのリスクを取ることで、長期的には安全な金融商品を上回る平均リターンが見込めるのです。また、株、債券、短期金融商品にバランスよく分散されたポートフォリオを持つことをバンガードがお勧めする理由は、債券や短期金融商品が株式の下落リスクを補う意味があるのです。
理由3:石橋を叩きすぎるとインフレには対抗出来ません
危険回避のためにより安全な国債や定期預金に投資資金を乗り換えようかという気持ちになっていらっしゃる方もいると思います。近い将来使う予定のお金に関しては良い回避先だと言えます。しかし、退職後の資金といった長期的な投資目標の資金を運用する商品としては、利回りが悪く良い回避先とは言えません。ここでのポイントは、"インフレ率を上回るリターンを上げないと、いずれ購買力の低下に繋がる"ということです。過去のデータから言っても長期的な投資目標のお金に関しては、過去に高いリターンをもたらしてきた株式を資産配分の中心に据えれば、インフレに対応することが出来、購買力も下がらずに済むのです。
リスクを考える上で価格下落リスクだけでなくインフレリスク考えなければなりません。間もなく引退予定の方は「自分には関係ない」ではなく、この先の20年、30年後の生活のためにやはりインフレを心配する必要があるのです。
理由4:衝動的な判断が正しい結果をもたらすでしょうか?
マーケットが混乱している時に次から次へと報道される金融市場のニュースに反応せず、長期的な視点を持ち続けることは難しいと思います。有事の際、人間の本能として「今何らかの手を打たなければ!!」と思うのが当然だからです。ただ、こういう時こそ後の後悔を避けるためにも「何もしない」ということが大切です。一般的に言って感情的になっている時に正しい判断を下せるとは思えません。昨日マーケットが大きく下げたからといって翌日売ってしまうのは損を確定してしまうことになります。例えば退職などで自分のライフスタイルが変わったら投資プランを見直し一部修正する必要がありますが、特に変化のない方は投資戦略を変える必要はありません。人生の転機を迎えた時、アセットアロケーションを変えることは大切です。しかし、マーケットの変動に連動させて変えることは意味のないことです。
投資戦略は自らが主体となり、マーケットの下落に弄ばれることなく絶対的で普遍的なものでなければならないのです。
注)過去のパフォーマンスは将来のリターンを保証するものではありません。分散投資はマーケット下落時に利益を保証するものではありません。
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