シンプルな投資法:最終回 はじめに"投資計画"ありき、です

世界最大級の運用資産規模を誇る投資信託会社、バンガードがお届けする運用コラム。世界経済を大局的にとらえ、正しい運用のあり方を示唆します。(現在は更新しておりません)

シンプルな投資法:最終回 はじめに"投資計画"ありき、です

この「シンプルな投資法」の連載を通じて、いつの時代も不変の4つのシンプルな法則―正しい投資先の選び方や分散投資、複利の効果やコスト意識について―をご紹介してきました。

 これらの法則はお題目のように聞こえるかもしれません。とは言うもののしっかりとした長期的な投資計画を立てないことには何も始まりません。そして、計画を立てたら実行あるのみです。
 ある意味、投資計画とは自分の人生の目標を見失わないという自分自身への誓いでもあるのです。

■まずは投資計画を立てましょう
 投資計画はあなたを引退資金や教育費、住宅購入資金といった投資目標の達成に導く地図の役割を担います。大まかな計画でも、ご自身の状況や意向に沿った綿密な計画でもどちらでも良いのです。大切なことは・・・
-投資目標を設定すること
-投資目標に対して必要な金額を把握すること
-どのタイミングで、どのくらいの額を投資するのかを把握すること

なのです。

 投資計画は、お金に対する自己管理能力とマーケットに対する鋭い洞察力をもたらします。ひとつでも欠けると、長期的な投資計画や慎重なポートフォリオ計画を持たぬまま、流行りの投資対象に資金を注ぎ込んだり、無計画な投資をしてしまいかねません。もっと悪いことには投資することを忘れてしまったり、投資どころか浪費してしまうことにもなりかねません。

■正しいやり方とは?
 投資計画は複雑である必要はありません。例えば自動引き落としや給料からの天引きのシステムを利用して自動的・強制的に投資する環境を作ることが多くの方にとって有効だと思います。小額でも自動引き落としで積立投資を利用すると、知らず知らずのうちに投資していることになります。

 投資計画を立てる上で鍵となることは"アセットアロケーション"を考えることです。アセットアロケーションとは、投資する資産を株、債券、MMFやMRFなどの短期金融商品等の主に3つに配分することです。(アセットアロケーションの重要性については2008年12月29日ならびに2009年1月5日掲載のマネックスメール「シンプルな投資法 第三回 正しい投資先の選び方とは?」でご確認下さい。)

 そして、アセットアロケーションと同じくらい大切なことは、"自分がリスクにどのくらい耐えられるかを知っていること"です。自分の投資目標と期限に照らし合わせ、マーケットの下落にどの位耐えられるかを知っていると、予測不能なマーケット下落時の動揺を少しは和らげることが出来ます。(リスクのコントロール法については2008年12月15日掲載のマネックスメール「シンプルな投資法 第二回 リスクを自分でコントロールするには?」でご確認下さい。)

■計画通りに、でも柔軟に
 一度計画を立てたらまっしぐらに突き進むのではなく、時には見直してみることが必要です。
 例えば引退といった投資目標のゴールが近づいてきたら、最終ゴールに合わせたポートフォリオ―たいていの方はより保守的な―に調整したいと考えられると思います。その際は手持ちの株を売却し債券や短期金融商品などに投資する、配当や分割、値上がり益などで得た現金を債券や短期金融資産に振り分ける、といったことでより保守的なポートフォリオに移行させることが出来ます。
 アセットアロケーションがマーケットの動きによってどう変化するかにも気を付けなければなりません。当初定めたアセットアロケーションの比率が日々の値動きによって、崩れてしまうこともあります。最近の金融危機の影響により、株の比率が大幅に下がっている方もいらっしゃることと思います。将来マーケットが回復したとしても、アセットアロケーションの調整をせず、株の比率が縮小したままのポートフォリオでは投資目標に到達しない可能性があります。
 一年に一度はアセットアロケーションの見直しをお勧めします。ただ、最近の下落によって当初定めた比率から5%以上外れていたら、年に一度と言わずリバランス(投資比率の調整)されると良いでしょう。

■結論:はじめに投資計画ありき、が共通の法則です
 殆どの投資家の皆様にとって昨年は大きな痛手を被った年であったことと思います。マーケットの好不況に関わらず、投資目標に到達するために計画を立て実行し、時々計画の見直しをすることが大切です。それは投資目標まで30年ある方にとっても、ゴール間近の方にとっても共通の法則なのです。

注)投資にはリスクがありますので、投資を行う前に慎重に検討してから投資を開始して下さい。分散投資はマーケット下落時に利益を保証するものではありません。債券への投資には金利リスク、信用リスク、インフレリスクが伴います。

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