バンガードCEOからのメッセージ「3つの投資の教訓から学ぶこと(前半)

世界最大級の運用資産規模を誇る投資信託会社、バンガードがお届けする運用コラム。世界経済を大局的にとらえ、正しい運用のあり方を示唆します。(現在は更新しておりません)

バンガードCEOからのメッセージ「3つの投資の教訓から学ぶこと(前半)

私が最初にMMFの口座を開設したのは1980年代初頭のことで、当時十数%の利回りがついていました。その後2,3年のうちに高いインフレも終焉を迎え、短期固定金利の利率は1桁台にまで下落しました。
 私がバンガードに入社し、マーケットと共に歩むようになるまで、最初に経験したこの高い利回りは、私の低リスク商品から得られるリターンの期待値として私に多大な影響を与えました。私と同じ時期に投資を開始したバンガードの顧客からもしばしば同じことを聞きました。私達はこの"経験"に囚われていたのです。

●期待利回りとの戦い
 現在、株に投資されている多くの方も、かつての私と同じように株に対して同様の期待感をお持ちだと思います。1980-90年代に株式投資を開始された方も多いと思いますが、この20年間で見てみると年平均17.9%の利回りを上げています(S&P500で算出)。これは驚くべき結果です。ただ、これから先のことを考えると非現実的かもしれません。

 最近株式投資を開始された投資家は、期待リターンに対し全く異なった見方をされていることと思います。401K(日本で言う確定拠出型年金)に10年前に投資を開始された現在30歳の人がいるとします。この投資家のポートフォリオの株式部分は、この9年で2度の急騰と暴落相場を経験しています。1999年12月末から2008年12月末までの8年間の株式の年間リターンは-3.6%です。この期間における金融市場は著しく不安定で、若くして投資を開始された投資家の多くは期待はずれの結果となっていることと思います。(出所:バンガード、S&P500)

 とは言っても1980年から90年にかけてのキラ星のようなリターンや、その後の散々なパフォーマンスから判断して、長期的な予測をたてるべきではありません。もっと長期で見れば、株式市場は極めて信頼出来るリターンをもたらしています。1927年までに遡ること82年間の近代の株式市場におけるリターンは年率9.6%です。(2008年末時点)しかしながら将来の長期リターンが過去の平均を上回るか、下回るかを予測出来る根拠はありません。(出所:バンガード、S&P500。S&P500のインデックスは1957年3月4日から運用され、それ以前の数字は推測によるデータです。)
 米国株への投資をアメリカ経済への投資とみなすことも出来ます。短期的にはマーケットのリターンとは投資家の心理に大きく左右されるものです。ただ、長期的にマーケットを見るとマーケットのリターンは企業が生み出す利益や配当、そしてインフレに左右されています。経済の先行きには数多くの不安要素があります。ただ、歴史を通じて言えることは~良い時も悪い時も~世界経済は機能し、回復していくことが証明されています。そしてそれは不変である、と私は信じています。

●"嵐"から学ぶこと
 短期のパフォーマンスが長期的な見通しを曲解してしまう一方で、ほんの僅かな期間でさえも我々をより良い投資家にするための見通しを与えることもあります。2008年はいくつかの教訓が、まるでハンマーを振り下ろされたかのように響いた方もいらっしゃることと思います。銀行の経営破綻や景気の縮小によって米国株式市場は実に37%のマイナスリターンとなりました。
 次回のマネックスメールでは、2008年に再確認した3つの不変の教訓を皆様と共有したいと思います。
 これらの教訓が、この先の2009年、そしてこれからも投資家の皆様が進むべき指針になると信じています。

注)全ての投資にはリスクがあります。債券への投資には金利リスク、信用リスク、インフレリスクが伴います。分散投資はマーケット下落時に損失を防ぐものではありません。過去のパフォーマンスは将来のリターンを保証しません。インデックスのパフォーマンスは固有の投資対象を表しているものではありません。インデックスに直接投資することは出来ません。

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