世界最大級の運用資産規模を誇る投資信託会社、バンガードがお届けする運用コラム。世界経済を大局的にとらえ、正しい運用のあり方を示唆します。(現在は更新しておりません)
今回は、多くの投資家の疑問である「市場を出し抜こうとせず、市場平均を追いかけることにどんな意味があるのか?」という疑問にお答えしながら、インデックス投資の有効性についてお話しましょう。
この問いの答えは以下の三点に集約されます。第一に、インデックスファンドはアクティブファンドと比較して運用管理コストが低い点です。第二に、下げ相場においてさえ、インデックスファンドの運用実績はアクティブファンドに見劣りしていないという点です。そして第三に、インデックス投資はポートフォリオの分散がシンプルにできるという点です。
まず、コストの側面からみてみましょう。多くの投資家はコストの影響を低く見積もっているようです。ファンドのコストには、エクスペンスレシオ(ファンドの運用管理費用)、売買取引コスト、そしてキャピタルゲインや分配金にかかる税金などがあります。インデックス運用が市場への投資を低コストで実現できるには、次のような理由があります。インデックスファンドの大部分はコンピュータ・プログラムで管理されており、アクティブファンドのように市場に勝つために多くのアナリストを置く必要がなく、さらにアクティブファンドに比較して売買回転率が低く、従って売買取引コストも低く抑えることができるのです。
次にパフォーマンスをみてみましょう。1年、3年、5年といった短期のみならず10年以上の長期でも、インデックスファンドはアクティブファンドに対して見劣りしない運用成果をあげています。例えば、下げ相場の2008年においても、インデックスファンドのパフォーマンスは大多数のアクティブファンドを上回っていました。そして、コストの効果は累積するため、投資期間が長ければ長いほどインデックスファンドの優位性は高まることになります。10年以上の投資期間でみると、ほとんどのインデックスファンドは同種のアクティブファンドのパフォーマンスを上回っていることがわかります。
最後にシンプルな投資手法という側面です。インデックスファンドに投資するというわずか一つのステップで、ご自身の投資目標、投資予定期間、リスク耐性などに合わせて分散したポートフォリオを作ることができます。投資家に求められる最も重要な判断のひとつは、株式、債券、短期金融商品などへの資産配分を長期的な視野に立って行うことです。インデックス運用は、これをシンプルにすることができます。例えば、ポートフォリオの60%を株式に投資すると決めたなら、その分を広範な株式市場をカバーしたインデックスファンドに投資するだけでよいのです。
昨今のように市場が非常に困難な状態にあるとき、楽観主義に留まるのは決して楽なことではありません。しかしバンガードは今の下げ相場は終息に向かうと信じています。そして、過去5、6回の大きな下げ相場を振り返って見ますと、市場が回復しはじめた直後の12ヶ月に急反発しているのがわかります。市場が回復に転じた時に、インデックスファンドを保有している投資家はリターンを得る可能性が高くなります。インデックスファンドはあくまで市場の動きに連動するように設計されているからです。
最近になって市場は大きく下げた後、ひと月ほどで24%回復しました。残念ながらそれは下げ相場の終わりではありませんでしたが、市場が急反発する前には、しばしばこのような現象が見られます。そして、いったん市場が上向きに転じた時に市場に投資していないのは、そこからリターンを得るチャンスをみすみす手放していることになります。このように、「市場の平均をおいかける投資戦略」には実は多くのメリットが含有されているのです。
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