世界最大級の運用資産規模を誇る投資信託会社、バンガードがお届けする運用コラム。世界経済を大局的にとらえ、正しい運用のあり方を示唆します。(現在は更新しておりません)
今回は米国バンガード社のインベストメント・マネージメント部門の責任者フランシス・キニリーの新興国市場に関してのインタビューの第三回目です。
投資家とリスク
インタビュアー: メディアによると、2010年1月から3月の新興国株式のパフォーマンスは先進国株式を下回りました。これは新興国市場に対する見通しの修正、あるいはリスクを警戒している投資家の反応と見てよいのでしょうか?
キニリー:これが変化の兆しであると考えるのは早計でしょう。初めにも述べたように、2009年の新興国市場のパフォーマンスは記録的な高さを示しました。今年に入ってそのような力強い成長から緩やかな成長へと推移したとも考えられるでしょう。しかし、これに基づいて1年先、3年先、5年先のパフォーマンスを予測するのは危険です。
すべての投資家にとって重要なのは、インデックス運用の実証性を見直すことでしょう。世界中には多くのアクティブ・マネージャーがいますが、アクティブ運用が例えばGDP成長率のような単一の測定基準を用いて簡単に行えるのだとしたら、あるいは新興国だからという理由で投資比率を高くするだけでよいのであれば、私たちは今日アクティブ運用の趨勢を見ていたかもしれません。しかし、実際に私たちが目にしたのはインデックス運用の優位性でした。アクティブ・マネージャー達が彼らの測定基準を駆使してベンチマーク・インデックスに勝とうと365日努力したにもかかわらず、です。
投資家にとって新興国市場の投資比率の判断は非常に難しいと言えます。新興国には投資すべきですが、長期的な視点に立って保有することが重要です。自身のポートフォリオに占める新興国銘柄の割合を常に意識しておく必要があります。今の状況を考えると、新興国市場への投資はポートフォリオの5%から10%の間が目安であり、それ以上積極的、あるいは保守的になるのはリスクが伴うと言えるでしょう。
インデックスファンドの優位性とは?(関連コンテンツはこちら)
http://www.vanguardjapan.co.jp/vanguardjapan/investing/columns/columns-6.cfm?vjts=MXML_100806
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