グローバルな経済回復と米国景気の二番底の可能性は?第3回

世界最大級の運用資産規模を誇る投資信託会社、バンガードがお届けする運用コラム。世界経済を大局的にとらえ、正しい運用のあり方を示唆します。(現在は更新しておりません)

グローバルな経済回復と米国景気の二番底の可能性は?第3回

グローバルな経済回復は今年後半以降も続くのでしょうか?そして米国の経済の先行きはどのようなものなのでしょうか?今回は、7月22日に行われたバンガードのチーフ・エコノミストJoe Davisと、グローバル市場分析担当のシニア・エコノミストRoger Aliaga-Diazのインタビューの第3回目をご紹介します。
景気刺激策か緊縮財政策か?
ナレーター:6月にトロントで開催されたG20サミットでは、財政政策が議論に上りました。各国間でかなり意見の相違がみられたようです。 米国が景気回復の重要性を主張する一方で、欧州の首脳は財政赤字削減に注力すべきだとしています。どちらの政策がより優先されるべきだと思いますか?そして、なぜそのように思われますか?

ジョー:国家として、またグローバルな共同体として、いかに財政赤字を削減するかは、今後10年間における大きな課題でしょう。これは短期的な景気刺激策と長期的な緊縮財政策のどちらを採用すべきか、という各国間における見解の相違に表れています。

そして、短期的な要素と超長期な要素がこれほどまでに強くせめぎ合うのは、歴史的にも稀な状況だと言えます。私たちは、これを重要な局面と捉え、米国政府は早い段階で財政緊縮政策を実行に移すべきと考えます。

これは、米国政府が直ちに増税をして支出を削減すべきという意味ではありませんが、次の数年間で確固たる計画を実行に移すことが必要です。バンガードの試算では、米国は次の10年で4兆ドルもの債務を削減する必要があります。どのようにそれを達成するかは、政治や経済の観点から討議を重ねていく必要があるでしょう。既に一部でそうした議論が始まっていますが、今後もそれを注意深く見ていく必要があります。それを出発点として、着実に計画を進めていかければなりません。

結論としては、計画性を以て財政緊縮政策を実行することが必要だということです。もちろん、今直ぐには困難であり、尚且つ懸念事項である二番底を誘発する可能性があることは認識しておく必要があります。二番底は短期的には政府による追加の財政出動を促すため、矛盾する結果に陥る可能性があるのです。
資本市場の役割
ナレーター:この議論を資本市場という観点から捉えると、市場は政府の景気政策と財政政策にどの程度影響力を持っていると考えられますか?また、債券市場は実質的に財政規律を強める働きをするでしょうか? 

ロジャー: おっしゃるとおりです。私たちは、財政緊縮に関して、基本的に資本市場は政策決定機関に問題解決を委ねると考えています。財政緊縮政策には強い反発がありますが、財政上の重要な構造的問題の解決には必要な政策です。ジョーが言うように、政策が直ぐに実行に移されないとしても、少なくとも公の議論の俎上に載せることは一つの選択肢であると言えるでしょう。

インフレ?デフレ?ディスインフレーション?(関連コンテンツはこちら)
http://www.vanguardjapan.co.jp/vanguardjapan/company/news/vijnewsletter201008vol14.cfm?vjts=MXML_100917

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