ウォール街の嵐の後で 第1回

世界最大級の運用資産規模を誇る投資信託会社、バンガードがお届けする運用コラム。世界経済を大局的にとらえ、正しい運用のあり方を示唆します。(現在は更新しておりません)

ウォール街の嵐の後で 第1回

今回は、ここ数年のウォール街に吹き荒れた嵐のような投資環境を、米国の投資家や投資アドバイザー達がどのように乗り切って来たか、バンガードの投資コンサルティング&リサーチ・グループのジョン・アメリクスへのインタビューを通してご紹介します。ジョンは、バンガードにおいて、投資家の貯蓄、資産配分、引退後の資金計画などの金融行動についての分析に携わっています。(このインタビューは2010年8月に行われたものです)。

インタビュアー: 2007年に米国株式市場がピークに達して以来、米国の投資家は、控えめに言っても、株式市場の暴落、劇的で不安定なリバウンド、激しいボラティリティなどといった様々な経験をしてきました。一般的に言って、一連の出来事は米国人の投資の考え方にどのような影響を及ぼしたのでしょうか?ジョン:それは誰もはっきりとは判っていないでしょう。これらの出来事が収束した後でも、不確定な要素が至る所に残っています。おそらく投資家は、以前にも増して多くの疑問を抱いていることでしょう。

そして、私が思うのは、多くの投資家は投資の事を第一には考えていないのではないかということです。 彼らには他に心配すべき事柄があるのです。それは、彼ら自身の、あるいは家族や友人の仕事のことかもしれません。実体経済は金融市場よりさらに回復が遅れている状態ですから。したがって、経済の回復が彼らの最大の関心事であると思います。多くの人々にとって、投資について考えるのはその後でしょう。

インタビュアー:リスクについてはどうでしょう?リスクはどのような投資にもありますが、暴落前の一般的な投資家は、マーケットリスク、特に株式のマーケットリスクを誤解していたのでしょうか?そして、今はより現実的なリスク予測をしているのでしょうか?

ジョン:投資家がリスクを誤解していたということはないと思います。おそらく投資家は単にリスクを忘れていたのではないでしょうか。かつて経験した経済危機や金融市場の混乱から相当な期間が経過してしまい、我々の意識からも遠ざかっていたのでしょう。

ただ、何年も危機的な状況を経験していなかったとしても、我々は常にその事については耳にしていたはずです。ですから、リスクについての本当の意味での誤解はなかったと思います。米国人がIt's a Wonderful Life*を見ずして、クリスマス・シーズンを過ごすことができないように、我々は世界大恐慌の状況について見たり聞いたりしていました。人々は、どのような事が起こる可能性があるかはわかっていたのです。ただ、長い間それが現実にならなかったので、強くは意識していなかっただけなのでしょう。(* 邦題「素晴らしき哉、人生!」は米国のクリスマス映画の定番)

次回に続きます。

過去を振り返り、そして歩を進めよう(関連コンテンツはこちら)
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