ウォール街の嵐の後で 第3回

世界最大級の運用資産規模を誇る投資信託会社、バンガードがお届けする運用コラム。世界経済を大局的にとらえ、正しい運用のあり方を示唆します。(現在は更新しておりません)

ウォール街の嵐の後で 第3回

前回に引き続き、ここ数年のウォール街に吹き荒れた嵐のような投資環境を、米国の投資家や投資アドバイザー達がどのように乗り切って来たか、バンガードの投資コンサルティング&リサーチ・グループのジョン・アメリクスへのインタビューを通してご紹介します。ジョンは、バンガードにおいて、投資家の貯蓄、資産配分、引退後の資金計画などの金融行動についての分析に携わっています。(このインタビューは2010年8月に行われたものです。)

インタビュアー:最近の経験から、米国の投資家は、ターゲット・デート・ファンド(購入者の年齢や保有期間に応じて、株式、債券、現金の3資産のエクスポジャーを自動的に調整する投資商品)に代表されるような自動投資プログラムへの志向を強めているのでしょうか?それとも自分自身で投資対象や資産配分を考えていくような投資に関心を持っているのでしょうか?

ジョン:その判断材料として私たちが持っている唯一の信頼できるデータは、バンガードへのキャッシュフローの状況と、投資家が選んでいる投資商品です。確かに、投資資金はバランス・ファンドやターゲット・デート・ファンドに集まっています。これは良い傾向だと思います。

金融危機の時に、バランス・ファンドに投資していた投資家は損失を被りました。しかし、実際に資金がこれらの投資商品に集まり続けているということは、投資家は何が起こったのかを経験的に理解した上で投資しているということを意味します。こうしたファンドは長期的にリスクを抑えることはできても、損失の可能性を完全に排除するものではありません。バランス・ファンドが提供するリスク分散効果は有用であっても、決して万能ではないのです。そして、金融危機の後、投資家のためにポートフォリオを適切に構築、管理するバンガードのような金融サービスの専門機関の利用価値が、それまで以上に認められるようになったという側面もあるのだと思います。

インタビュアー:バンガードは投資家や投資アドバイザーに対してアセット・アロケーションの重要性を説くことに多くの時間を費やしています。そして、そのための基本的でわかりやすい投資のルールを紹介しています。バンガードの考え方はここ数年間で何か変化しましたか?これまでの古い投資のルールはまだ生きているのでしょうか?あるいは、バンガードの哲学を見直すべき時がきたのでしょうか?

ジョン: バンガードが説いてきた投資のルールが古くなったとは全く考えていません。それらは最良のルールであり、常にアップデートされ、見直され続けているものです。

ですから、バンガードのターゲット・デート・ファンドやライフストラテジーファンドに使われている資産配分は、バンガードの最善の判断に基づいた資産配分です。バンガードは2008年以降に起こったすべての出来事を慎重に検討し、それを大局的に判断してきました。主要なアセットクラスに広く分散投資するという、バンガードのポートフォリオについての基本的な見解は、長期投資家にとって今もなお道理にかなうものであると思っています。

インタビュアー:今年の夏に行われたある会議でバンガードの会長兼最高経営責任者ビル・マクナブは、投資運用会社は投資家の信用を回復することに全力を尽くさなければならないと述べています。彼はリーマンショックのような出来事の後での国民の信頼の回復という観点で話をしていますが、ここ数年の出来事は投資そのものの価値に対する投資家の信頼をも損なったと思われますか?
ジョン: それは重要な問題です。そこには多くの不確実な要素があると思います。そして、投資家が金融危機以前のように多様な投資機会を安心して利用するようになるまでにはまだ時間がかかるでしょう。

現在、投資家は自分が知っている投資商品に投資しています。そして、おそらくビルが言いたかったことは、金融サービス会社、金融業界、さらには経済が以前のような状態を回復するためには、金融サービス会社がより透明性の高いサービスを提供しなければならないということです。そうなれば、投資家は、自分たちがどのような投資商品に投資し、それがどうやってリターンを生み出しているのか、そして誰が手数料を得ているのかなどを理解しやすくなるでしょう。

我々はこれらの投資家の疑問に対して簡潔でわかりやすい答えを提示すべきです。投資家が自分たちの投資のあらゆる側面をよく理解していると感じることが必要なのです。そうなれば金融業界は再び活気をとり戻し、経済も活性化し始めるでしょう。

バンガードの理念と投資哲学(関連コンテンツはこちら)

http://www.vanguardjapan.co.jp/vanguardjapan/perspective/philosophy/philosophy_home.cfm?vjts=MXML_101029

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