新興国市場における適切な投資比率の管理 その1

世界最大級の運用資産規模を誇る投資信託会社、バンガードがお届けする運用コラム。世界経済を大局的にとらえ、正しい運用のあり方を示唆します。(現在は更新しておりません)

新興国市場における適切な投資比率の管理 その1

みなさんは、投資ポートフォリオに新興国市場を組み入れていますか。もしそうであれば、その投資比率を再検討し、その保有がしかるべき理由に基づいているどうかを再考する機会かもしれません。

私たちバンガードでは、海外株式への投資がもたらしてきた長期的な分散化メリットを踏まえ、長期投資家はポートフォリオへの外国株組入れを考慮すべきであると考えています。そして、新興国市場への投資はその中の小さな比率にとどめるべきです。

しかし、新興国市場への株式投資がもたらす運用成果はここ数年間欧米先進国市場を上回って推移しており、それを受けて投資家は新興国の株式市場へ殺到しています。

当社のデータによれば、2010年11月30日までの3年間で、新興国市場を対象とした投資信託やETFへの資金流入は993億米ドルの純増となりました。対して、海外の先進国市場に投資するファンドやETFへの資金は同期間に、正味239億米ドル流失しました。

バンガードの考える新興国市場の投資についての留意事項は次の通りです。
すべきこと:

ポートフォリオの規模を常に意識する。株式ポートフォリオ全体の5%から10%の新興国市場への投資比率は考慮するに値する。長期保有を心掛ける。

してはいけないこと:

足元の運用成果次第で過度の強気に転じる、あるいは極度に慎重になる。過去の力強い市場パフォーマンスまたは将来の経済成長に対する強い期待が強力な投資リターンにつながると思い込む。
次回に続きます。


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