世界最大級の運用資産規模を誇る投資信託会社、バンガードがお届けする運用コラム。世界経済を大局的にとらえ、正しい運用のあり方を示唆します。(現在は更新しておりません)
今回は、2011年3月30日にバンガードのチーフエコノミスト、ジョー・デービスが米国の経済、金利、インフレなどの質問に答えたインタビューの第五回目です。デービスは、バンガードのプリンシパル兼バンガード・インベストメント・ストラテジー・グループの責任者です。
●来年の米国の住宅価格はどうなると思いますか?住宅価格はすでに底入れしたと考えていますか?
住宅価格の下落については、今後6ヶ月から12ヶ月続くことは十分あり得る話だと思いますが、2年続くとは思えません。インフレを調整した全米的な住宅価格は、少なくとも今後2、3年は横ばいとなることと思います。
覚えておくべきポイントは、米国の住宅価格がおよそ10年ぶりに、基本的には適正価格になっているということです。すなわち、平均的住宅価格は家賃の実勢水準とほぼ均衡する水準になっています。3、4年前はそうではありませんでした。これ以上下がることはないと言っているわけではありません。しかし、今後2年間で住宅市場がいくらか活気を帯びてやや安定すると想定するのは妥当だと思います。住宅価格が安定すれば、今後2年間株式市場は堅調になることも十分あり得ます。
●米国の財政赤字が記録的な高水準であり、FRBが金融緩和政策をとっていますが、みなさんは米ドルの先行きを懸念していますか?ドルが世界の準備通貨としての地位を失うことを懸念していますか?ドル安を懸念する投資家は、どのような戦略を取るべきでしょうか?
米国の財政悪化は確かに脅威であり、長期的には政策立案者が対処しなければなりません。重要な点は政治的に信頼性のある計画が明確に示され、今後3、4年のうちに財政赤字への取り組みが開始されることです。財政正常化への長期的な計画に合意し、それが実施されるまでには2、3年かかるというのが私の予想です。景気回復によって財政赤字は多少改善すると思いますが、予算の見通しは依然として持続不可能な方向で進んでいます。そして、このような長期的な展望が懸念材料です。
財政状況が不透明であることを考慮すると、広い範囲での資産クラスおよび国内外の銘柄への分散投資がこれまで以上に重要になります。米国を拠点とする投資家は、株式ポートフォリオの20%~40%を米国外の株式にするよう検討すべきです。
そうは言っても、近い将来、ドルが世界の準備通貨としての地位を失うことはないでしょう。あらゆる財政問題にもかかわらず、米国の経済規模は依然として15兆ドルと、第2位の規模の3倍近くです。
世界の外貨準備のおよそ3分の2は依然としてドル建てです。投資家にとってドル建ての債券は、流動性、安定性、米国経済の相対的強さなど、いくつかの利点があります。ギリシャの財政危機から圧力を受けるユーロや、経済が停滞している日本を考えると、米ドルは明らかに有力な選択肢であり先進国の中で最高水準のリターンを提供します。バンガードは予見できる将来においては米ドルが世界の基準通貨であると考えます。
◆関連コラム:「新興国市場における適切な投資比率の管理」
→ https://www.vanguardjapan.co.jp/content/articles/column/columns-56.shtml?vjts=MXML_110715
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