ニュースの見出しに惑わされない株式投資(前半)

世界最大級の運用資産規模を誇る投資信託会社、バンガードがお届けする運用コラム。世界経済を大局的にとらえ、正しい運用のあり方を示唆します。(現在は更新しておりません)

ニュースの見出しに惑わされない株式投資(前半)

中東やその他の地域の混乱や原油や商品相場の激しい価格変動に加え、大震災による被害が著しい日本経済。さらには依然として未解決の欧州債務危機など、ここ数週間、様々な暗いニュースが市場のセンチメントに影を落としています。同時に、米国の経済指標も軟調で、多くのエコノミストが今年いっぱいの経済成長率予想を下方修正しています。

●これはベアマーケット(下落市場)が始まる前兆なのでしょうか?

これまでマーケットの下落時も投資プランを変えることなく持ちこたえてきた長期的な視野に立つ投資家は、おそらくその質問自体が間違っているということを知っています。「お客様から株式市場を懸念する声が今まで以上に多く寄せられています。」と語るバンガード・アドバイス・サービシズの責任者、カリン・リシは、次のようにも述べています。
「最近のように暗いニュースばかり続けば、投資家の皆さまが心配されるのも無理はありません。しかし、長期的な投資決定をする際は目先のニュースや市場のトレンドに反応しないよう、バンガードでは常にお客様にアドバイスしています。ニュースというものは毎日変化し、短期的なトレンドは簡単に反転する場合があります。しかし、個人の長期目標というものはそれほど頻繁に変わるものではないのと同様、長期的な投資ポジションも変わりません。」

「お客様と話をする際は、お客様が長期プランに満足されていることを確認します。目標や投資期限に変更がない場合、株式と債券の組み合わせをチェックし、現在の投資が依然として目標とするアセットアロケーションに近いものであるかどうか確認することはよい考えです。他の多くの投資家と同じような状況だとすれば、この2年間の株式市場の上昇に伴って、投資アロケーションにおける株式比率が目標とする比率より多くなっている可能性があります。その場合は、資産の一部を債券に移して、ポートフォリオのリバランスを図ることも一案です。」

●長期的なトレンドは依然として良好

さらに、いくつかの短期的な要因が市場の悲観論を煽っていますが、重視すべきもっと長期的なトレンドを見ると、経済も市場も依然として良好な兆候を示していると、バンガードのシニア・エコノミスト、ロジャー・アリアガ=ディアスは語っています。

「最近は市場の変動が激しくなっていますが、おそらく、これは予期していなかったショックによるものです。米国南部と中西部では悪天候が失業率の上昇と保険請求額の増大をもたらし、サプライチェーンは日本の大震災によって混乱しました。また、原油価格の上昇が消費者信頼感を不安定にする要因となっています。」

「最近はこうしたショック要因の組み合わせが、GDPや消費者支出、製造業データなどの鈍化に反映されているのだと言えます。」

「おそらく経済指標は一時的に軟調となっていると考えられ、回復は夏半ば以降となる可能性があります。」

「しかし、中長期的な要因は、慎重ながらも楽観的な見通しを支えています。金融危機や住宅価格の暴落から回復するには通常長い時間がかかるため、今後はペースの鈍い、まだら模様の回復が予想され、また、リセッション(景気後退)前の状況に回復するまで何年もかかるセクターもあるでしょう。」

また、アリアガ=ディアスは、消費者がリセッションからの回復期を通して借金を大きく減らしてきたことにも言及しています。「その結果、消費者金融は現在、非常によい状況まで改善しています。今後の数四半期、消費支出が再び重要な牽引要因となる可能性が高いでしょう。」

「資本コストが低水準でとどまるなか、企業利益も引き続き増益基調にあり、企業の設備投資もまた、重要な経済成長の牽引役になると思われます。実際、金融セクター以外の企業利益は2011年第1四半期に22%もの増加率を記録しました。つまり、最近の市場変動にもかかわらず、消費支出と企業の設備投資という2つの牽引要因は健在です。」

(後半に続く)関連コラム:「情報に惑わされないこと」

https://www.vanguardjapan.co.jp/content/articles/column/columns-46.shtml?vjts=MXML_110805
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