コロナウイルスとマーケット
新型コロナウイルスがイタリアに飛び火したのを契機としたのか、世界同時株安となりました。かのウォーレン・バフェットはテレビのインタビューで「コロナウイルスのニュースを見て株を買ったり、売ってはダメです。今までの24、48時間の間にアメリカビジネスの10年、又は20年後の見通しが変わったのですか?」と発言したようですが、いかにもバフェットらしい言葉です。911の時も、バフェットはあらゆるテレビに出演して、今ここで株を売ってはテロリストの思う壺だ、と云って、実際にマーケットを持ち直させてしまったのでした。
今回のウイルス騒動は、少なからず世界経済に影響を与えるでしょう。しかし企業の長期的な価値に対する影響は、経済に対する影響よりも小さい筈です。そして何よりも、GFC(リーマンショック)以来、中央銀行は「流動性の供給によって経済と資本市場を守る」ということを基本中の基本として据えてきたので、株式市場が売られれば必ず対応をしてきます。問題はそれがいつか?です。
問題の深さが分からないうちは、流動性を供給しても砂に水を撒くようなもので効果がありません。一旦問題の深さが分かれば、その浅さや深さに関わらず、その深さに応じた流動性を供給するだけなので、いわゆる「コツンと云って」マーケットは反転します。だから問題の深さが分かることが大切なのです。現状は、中国の発する情報に対しても疑心暗鬼で、それぞれの自国に於ける影響もはっきりと分からない中で、嫌な時間帯が続くでしょう。こういう状況で中央銀行が大きく動いても、無駄使いになる可能性があるので、もう少し様子見かも知れません。
しかし長い目で見ると、いい投資の機会がありそうです。一歩下がって見ることが大切だと思います。
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