先週水曜日に、NTTドコモ、マネックスグループ、マネックス証券の3社間での資本業務提携を発表しました。マネックス証券のお客さまも、社員も、マネックスグループの株主の方々も、或いはそうではないけれどもマネックスを応援したり気に掛けて下さってる方々も、「これってどういうこと?」と思われてる方がいらっしゃるかも知れません。なので、網羅的に説明申し上げます。少し長くなります。
最初に、全体像をお話しすると、マネックスグループの中には大きなビジネスとして、日本、アメリカでの証券業、日本での資産運用業、日本での暗号資産事業がありますが、このうち日本の証券業、即ちマネックス証券を、NTTドコモさんとマネックスグループの間の共同で運営する会社とし、両社の持っている様々な資産やノウハウを投入してマネックス証券を育てる、ということです。そしてそのようなことを実現する中で、マネックスグループに400億円を超える大きなお金が入ってくるので、これで資産運用業を更に強化したり、或いはマネックスグループの株主への還元を強化する、といったものです。
マネックス証券のお客さまにとっては、清明がマネックス証券の社長をし、私がマネックス証券の100%親会社となる(NTTドコモとマネックスグループが約半々の株を持つ)中間持株会社の会長をしますし、NTTドコモさんは私たちマネックスのやり方や価値観が気に入って、このような共同の取り組みをすることになった訳ですから、基本的にマネックス証券のお客さまに対する今までのマネックスらしさは変わりません。
ただ、NTTドコモという巨大なデータと情報技術を持つ大企業と手を組むのですから、当然そのメリットをマネックス証券のお客さまも享受できるように、今後様々な新サービスの開発をしていくことになります。だから、マネックス証券のお客さまにとって、とってもいいことなのです!
マネックス証券の社員はどうでしょう?今後、様々な形で、NTTドコモさんと協業していくことになります。何も変わらない、ということはありません。新しいノウハウを貪欲に吸収して、変わらないのではなく、いい方向に変わっていくべきです。そうすることが、マネックス証券のお客さまと、マネックスグループの株主に貢献していくことになります。社員にとっては、とってもいい刺激になると思います!
マネックスグループの株主にとっては、これはもういいことずくめだと、私は思います。利益成長著しいグループ内のアメリカビジネスや、成長ポテンシャルがとても大きい暗号資産ビジネスに比べて、大きくて歴史が長い中で、成長がどうしても緩やかであるマネックス証券に、新たな非連続的な成長の可能性を実現します。ライバルを追いかけることが出来ます。マネックス証券は、規模と成長と安定の3つを、いやそれだけでなく技術や人材を含め、多くの様々な新しいリソースを得ることが出来ます。
一方で、この提携の中で、マネックスグループに大きなお金が入ってきます。これを、株主の方に大きく還元しつつ、今後の重要な柱のひとつになっていくことが明らかな、資産運用業の構築に投資していきます。グループ全体にとっても、規模と安定と成長を実現していく、大きなチャンスです。
どこかの記事に、私の金融に対する興味が減ってるのではないかと書かれていました。そんなことは全くありません。まさにこの資本業務提携の発表と同じ日に、資本市場立国論なる本を発売しましたし、私の私財を寄付して東京大学の中に東京大学応用資本市場研究センターなるものを設立してもらい、ライフワークとして、日本の資本市場の改善、活性化、そして資本市場を活用してどう日本を強くするか、良くするか、にどっぷり浸かっています。私は資本市場オタクで、資本市場を愛しています。しかし、マネックスグループの企業目的は、「個人の生涯バランスシートの最良化」をお手伝いすることで、その方法は、旧来からの「金融」という枠組みを超えるかも知れません。
そして、何よりも大切だと思うことは、私は真剣に、マネックス証券を含むマネックスグループのお客さまにより良いサービスを、今後ずっとご提供していくことにコミットしており、それが私の頭と心の中を占めており、その文脈で、マネックスという会社が永遠に正しい価値観を持ち続けて進化し続けるように、グループ全体の人的組織の構築、永久機関化するための取り組み、今回の資本業務提携を含む、マネックスの外側にある多くの企業や社会との関係の構築、そして新しいリーダーシップが育つことを促し見守ること、そういったことに全力で取り組んでいます。
マネックスは、力強く、新しい時代に、新しい世代と共に、進化していきます。ですから100%安心して、いっぱい期待して下さい。よろしくお願いします!
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