5月28日は複数ある「花火の日」の一つだそうです。1733年のこの日、隅田川で「川開き」の花火が打ち上げられたことが由来とされ、今の隅田川花火大会のルーツとも言われているようです。花火というと真夏のイメージですが、記念日はまだ初夏の入口。少し早く夏を迎える感じがして、なんだかいいですよね。
そんな本格的な夏を迎える少し前の先日、高校時代の友人たちと熱海へ旅行したのですが、偶然その日が熱海海上花火大会の日でした。宿泊したホテルの部屋の真正面に花火が上がるという絶好の環境で、部屋の明かりを消し、3人で並んで夜空を見上げました。まるで修学旅行みたいでした。
最近の花火は、音楽と精密に同期したショーのような演出も多く、それはそれで見事です。その日も、一部のプログラムはコンピュータ制御による演出だったと思いますが、どこか人の息づかいのようなものを感じました。風を読み、空気を読み、「次はここだ」と呼吸を合わせる。そんな花火師の感覚が、夜空の向こうにある気がしたのです。
そして印象的だったのは、花火と花火のあいだの静けさでした。次の一発を待つ短い時間、さっきまで笑っていた3人が自然と黙る。ただ同じ夜空を見上げ、同じ音を待っている。その沈黙がとても心地よかったです。
最近、AIの話をする機会が本当に増えました。AIは速く、多くのことをこなし、社会を大きく変えていく存在です。でも、人の心に残るものは、案外こうした「間」の中にあるのかもしれません。少し揺らぐこと。予測しきれないこと。言葉にならない時間を誰かと共有すること。効率だけでは測れない価値が、そこにはあります。
技術が進化することと、人間らしさを大切にすることは、きっと対立するものではありません。むしろAIが賢くなる時代だからこそ、「自分は何にホッとするのか」「何に心が動くのか」を知っていることが、これまで以上に大切なのかもしれませんね。
花火は、鎮魂や厄除けの祈りである一方、お祝いの象徴でもあります。悲しみにも歓びにも寄り添えるのは、花火が人の気持ちを言葉以上に映し出すものだからかもしれません。本格的な夏も、もうすぐです。今年はどんな花火を見上げる夏になるでしょうか。
さて、このつぶやき、来週からは水曜日担当になります。引き続きお付き合いいただけますと嬉しいです。
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