「部長、おはようございます!」
「槙原君、おはよう。今週のポイントは?」
「今週は日本企業の決算の本格化と米国の住宅関連指標の発表に注目しておきたいですね。」
詳細は以下をご覧ください。
今週の注目レポート・重要ニュース
【1.米国】
先週の米国株式市場はダウ平均が週間で200 ドル超の下落となりました。週の半ばまでは堅調な地合いが続きましたが、中国の空売り規制緩和に対する警戒感やアメリカン・エキスプレス(AXP)の決算が不調に終わったことなどからダウ平均は金曜日に280 ドル近い大幅下落となりました。
1-1.米企業の決算発表
先週はシティ(C)、ウェルズ・ファーゴ(WFC)、JP モルガン(JPM)、インテル(INTC)、ジョンソン・エンド・ジョンソン(JNJ)、アメリカン・エキスプレス(AXP)などの金融株に加えて、インテル(INTC)やジョンソン・エンド・ジョンソン(JNJ)が決算発表を行いました。トムソン・ロイター社の集計によれば、第1 四半期のS&P500 採用企業の1 株利益(EPS)は前年同期比2%の減益見込みと、前週の2.9%の減益見込みから上方修正されました
1-2.米小売売上高
14 日に発表された小売売上高は前月比0.9%増と4 ヶ月ぶりに前月比プラスに転じたものの、市場予想(1.1%増)は下回りました。変動の大きい自動車とガソリンを除いた売上高も0.5%増とこちらは3 ヶ月ぶりにプラスに転じましたが、こちらも市場予想(0.6%増)を下回りました。
1-3.米CPI
17 日に発表された消費者物価指数(CPI)は食品とエネルギーを除いたコア指数が前年同月比1.8%の上昇と市場予想(1.7%)を上回りました。
1-4.住宅関連指標
22 日に中古住宅販売件数が、23 日に新築住宅販売件数が発表されます。新築住宅販売件数は2 月まで3 ヵ月連続で、中古住宅販売件数は1 月から2 月にかけて販売件数が増加しておりこの基調が継続しているかどうか注目されます。
【2.欧州】
先週の欧州の主要な株価指数は下落しました。ドイツのDAX 指数はギリシャの債務問題への不安とともに、中国で実施された空売り規制緩和が嫌気されるなどして、週後半にかけて大きく調整し、週間で5%超の下落となりました。
2-1.ECB 理事会
15 日に開催されたECB 理事会では事前の予想通り金融政策の現状維持が決定されました。最近のユーロ圏経済指標の改善を受けて資産購入が予定よりも早く終了するという見方が出ていましたが、ドラギ総裁は記者会見でそうした見方を否定しました。
2-2.製造業購買担当者景気指数
23 日に3 月のユーロ圏製造業購買担当者景気指数(PMI、速報値)が発表されます。市場予想では52.6 と前月の52.2 から小幅に改善すると見込まれています。
【3.日本】
先週の日本市場は日経平均が週間で254 円安と3 週ぶりに下落しました。先々週末10 日の取引時間中に日経平均が一時2 万円に到達したとあって、先週は様子見姿勢が強まりました。日経平均は月曜日2 円安、火曜日3 円高、水曜日38 円安、木曜日16 円高と小動きが続きましたが、金曜日は先物で大口の売りが出たことなどから232 円安となりました。
3-1.3 月決算企業の決算発表が開始
今週後半から徐々に3 月決算企業の決算発表が始まります。最高益更新が見込まれる2014 年度の結果に加えて、今年度の業績見通しをどの程度強気に出してくるか注目されます。
【4.中国】
先週の中国市場は上海総合指数が週間で252 ポイント高と6 週連続での値上がりとなりました。ハンセン指数も5 週連続で値上がりしました。発表された経済指標に下振れが目立ったことや、1-3月期のGDP 成長率が前年同期比7.0%成長と政府の定める「7%前後」という目標値とほぼ一致し、今後達成のために積極的な金融緩和政策や財政政策が行なわれるとの期待が高まり株価は大きく上昇しました。
4-1.中国GDP
15 日に発表された1-3 月期の四半期国内総生産は、前年同期比7.0%増で市場予想と一致しました。
4-2.預金準備率引き下げ
中国人民銀行は預金準備率を20 日から1%引き下げると発表しました。金融緩和を行うことで国内の流動性を増やし、景気刺激効果を狙っていると考えられます。
4-3.空売り規制の緩和
中国当局は証券会社等に貸株業務を認めると発表しました。これによりこれまで株券の確保の問題から難しかった空売りが積極的に行なわれるようになる可能性が高まりました。
4-4.HSBC 製造業購買担当者景気指数
23 日に4 月のHSBC 製造業購買担当者景気指数(PMI、速報値)が発表されます。市場予想では49.4 と前月の49.6 から小幅に悪化すると見込まれています。
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グローバル・マクロ・ビュー(世界経済の基本観)
- 日本(前回から変更なし)
景気の回復が続き、日銀は2%のインフレ目標について2015 年度中から若干後ずれの可能性を示しつつも達成可能との見方を維持。ただし、コアCPI インフレ率がゼロ%へ低下している中、市場の追加緩和期待は根強い状況が続く。
- 米国(前回から変更なし)
冬場の景気鈍化は一時的であった可能性が高く、FOMC は夏頃に利上げを開始するとみられますが、足元の経済指標が相次いで市場予想を下回ったことから、6 月利上げ開始の可能性がいったん低下。
- 欧州(前回からの変更なし)
ユーロ圏経済指標は改善が続いているものの、ECB は国債を中心とする資産購入を当初の予定通り2016 年9 月まで継続、必要であれば購入を継続する姿勢を維持。
- 新興国(前回より景気減速感が強まり、当局の景気下支え姿勢が強まる)
景気減速感が強まる中で、中国人民銀行は週末の19 日、預金準備率の1%ポイント引き下げを発表。全国人民代表大会の掲げる7%の成長目標達成のため、今後も追加的な景気刺激策が行われる可能性が高まっている。
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