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マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部世界経済のトレンド丸解り!今週の注目レポート

このコーナーでは、フィナンシャル・インテリジェンス部に配属された新人のルミが「世界経済の今・そしてこれから」を掴むために是非読んでおきたい、今週の重要レポート・ニュース記事を紹介します。(原則月曜日更新)

2015年05月25日

米国の耐久財受注、第1 四半期GDP(改定値)、日本の消費者物価指数(CPI)の発表に要注目

「部長、おはようございます!」
「槙原君、おはよう。今週のポイントは?」
「米国では耐久財受注や第1 四半期GDP 改定値が発表されます。日本では全国コアCPI の発表があるので注目しておきたいですね。」

「槙原君、日本では政府・日銀が一体となってリフレ政策を取っているが、君は何か日本経済に貢献しているのかね?」

「もちろんです!週末は北陸新幹線で金沢へ小旅行して、リフレっしゅしてきました笑」
「ほう、やるねぇ。私はリフレクソロジーだよ。くれぐれも、リフレクソジジィじゃないぞ笑」
「さすが部長!言われる前に、先手必勝ですね」
「部長のワタシが誰に言われるの・・・」

詳細は以下をご覧ください。

今週の注目レポート・重要ニュース

【1.米国】

先週の米国株式市場はダウ平均が週間で小幅に下落した一方S&P500 及びナスダック総合指数は小幅に上昇とまちまちでした。週の前半はシカゴ連銀総裁の「FRB は年内の利上げを回避すべき」というハト派的な発言が好感されて上昇して始まり、ダウ平均は連日で史上最高値を更新しました。ただ、22 日に発表された4 月の米消費者物価指数(CPI)が市場予想を上回ったことで利上げの早期化が意識され金曜日は売り優勢となりました。

1-1.米住宅着工件数

19 日に発表された 4 月の米住宅着工件数は年率換算 113.5 万件と市場予想を大きく上回り、前月 から改善しました。2 月に急減し、3 月の回復が鈍かったことで 4 月分が注目されていましたが大きく回復したことで冬場の減速が一時的であったとの観測が高まり、指標発表後にドル円が 120 円を突破してドル高が進むきっかけとなりました。

1-2.米 FOMC 議事要旨

20 日に発表された 4 月開催分の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨では、多くの参加者が 「1-3 月の景気減速は一時的である」との認識を示した一方で「次回 6 月の FOMC までに利上げ を決定できる経済データが揃うのは難しい」と考えていたことが明らかとなり、ややハト派的な内容 と解釈されました。また、イエレン FRB 議長は 22 日の講演で年内利上げ開始への意欲を示しまし たが、6 月の FOMC で利上げが決定される公算は低いことも示唆され、6 月に利上げが行なわれる 可能性は極めて低くなりました。

1-3.米消費者物価指数

22 日に発表された 4 月の消費者物価指数(CPI)は食料とエネルギーを除いたコア指数が前年比 1.8%上昇と市場予想を上回りました。CPI の伸びは FOMC の目標である2%に向けてじりじりと 高まっており、年内の利上げ開始が改めて意識され指標の発表後にドル高が進みました。

1-4.耐久財受注(輸送用機器除く)

26 日に 4 月の耐久財受注が発表されます。住宅着工件数同様、冬場に大きく落ち込みながら 3 月 分の戻りが鈍かったことから 4 月分で回復を示し、落ち込みが一時的なものであったと示すことが できるか注目されます。市想では輸送用機器を除いた指数が前月比 0.3%増と予想されています。

1-5.新築住宅販売件数

26 日に 4 月の新築住宅販売件数が発表されます。3 月分は前月比 11.4%減と販売件数が大きく落 ち込み、ネガティブ・サプライズとなりました。先に発表された中古住宅販売件数の 4 月分は前月 比 0.8%増の予想に対し 3.3%減と、販売件数の戻りが鈍いことが示唆されました(ただし 3 月分 は前月比 6.1%増から 6.5%増に上方修正)。新築住宅販売件数も同傾向となるのか注目されます。 市場では前月比 5.0%の増加が見込まれています。

1-6.カンファレンスボード消費者信頼感指数

26 日に 5 月のカンファレンスボード消費者信頼感指数が発表されます。先に発表された 5 月のミ シガン大学消費者信頼感指数(速報)ではガソリン価格の反発などの影響から消費者センチメントの 悪化が確認されました。ただ、カンファレンスボード消費者信頼感指数は 4 月分で既に 6.2 ポイン ト悪化していることから 5 月分は 95.2 と前月から 0.2 ポイントの改善が予想されています。

1-7.1-3 月期実質GDP・改定値(前期比年率)

29 日に1-3 月期のGDP 改定値が発表されます。速報値では0.2%増と市場予想を大きく下回る結果となりました。改定値では0.9%減とマイナス成長への下方修正が予想されています。

【2.欧州】

先週の欧州の主要株価指数は、ドイツのDAX 指数が週間で367 ポイント高となるなど反発しました。クーレECB 理事が夏場に流動性が枯渇し購入が難しくなる前に、5 月から6 月にかけて量的緩和に伴う国債購入を加速させると発言したことが買い材料となりました。ユーロ/ドルは、ギリシャ政府資金枯渇懸念が再浮上したほか、19 日にはクーレ 理事の発言を受けドイツ利回り急低下(10 年債で0.1%ポイント程度)と共に下落、更に米経済指標の上振れも手伝って、週初の1.14ドル台から22 日にかけて 1.1002 ドルの安値を付けました。ユーロ/円もほぼ同様の動きとなり、週初に136.96 円の高値を付けた後、22 日に133.73 円の安値を付けました。

2-1.独 ZEW 景気期待指数

19 日に発表されたドイツの ZEW 景気期待指数は 41.9 と市場予想の 49.0 を大きく下回り、前月 の 53.3 から大きく悪化しました。QE 導入後のドイツの景況感改善が一服していることが改めて示 される結果となりました。

【3.日本】

先週の日本株式市場は日経平均が週間で531 円高と上昇、連日で年初来高値を更新しました。22日には東証1 部の時価総額が終値ベースでバブル期を更新しています。企業の決算発表シーズンが終わり、前期に続いて今期も史上最高益を更新する見通しとなるなど堅調な結果だったことに加え、米国の経済指標上振れによって円安ドル高が進んだことが好感されました。ドル/円は19 日に発表された米住宅着工件数や22 日の米消費者物価指数(CPI)が市場予想を上回ったことなどでドルが買われ、一時121 円台半ばまで円安ドル高が進みました。

3-1.1-3 月期 GDP 速報値

20 日に発表された 1-3 月期の GDP 速報値は年率換算 2.4%増と市場予想の 1.5%増を上回りまし た。住宅投資や設備投資に底入れの兆しが見られたことに加え、企業在庫の増加が押し上げ要因とな りました。

3-2.金融政策決定会合

21 日から 22 日にかけて行なわれた日銀の金融政策決定会合では事前の予想通り金融政策の現状維 持が決定されました。景気判断についての表現がこれまでの「緩やかな回復基調を続けている」との 表現から「緩やかな回復を続けている」と変更され、景気判断が引き上げられた格好となりました。

3-3.消費者物価指数(CPI)

29 日に 4 月の消費者物価指数(CPI)が発表されます。4 月分からは消費税増税の指数に与える直接的な影響が剥落するため、改めて物価上昇率の基調に変化が起きているか注目されます。市場予想 では生鮮食品を除いたコア指数で前年比 0.2%上昇と、3 月分から消費税増税の影響を除いた数値か ら横ばいと予測されています。

【4.中国】

先週の中国株式市場は上昇しました。ハンセン指数は約0.6%の上昇し上海総合指数は8.1%の上げとなりました。今後の金融緩和政策の発動への根強い期待に加えて国の年金保険基金(養老保険基金)の運用制度改革が6 月末までに発表される可能性があるとの見方が広がったことが買い材料となりました。

4-1.HSBC 製造業購買担当者景気指数(PMI)

5 月のHSBC 中国製造業購買担当者景気指数(PMI)速報値は49.1 と、市場予想の49.3 を下回ったものの、前月の48.9 から若干改善しました。

グローバル・マクロ・ビュー(世界経済の基本観)

  1. 日本(前回から変更なし)
    日銀は2%のインフレ目標達成時期を16 年度前半へ後ずれさせつつも、景気やインフレに関する強気姿勢を維持しており、目先の追加緩和を示唆していません。
  2. 米国(赤字が前回からの変更点)
    4月末に開催されたFOMCでは景気認識が下方修正されましたが、冬場の鈍化は一時的との認識も示されました。最近発表の経済指標も、住宅着工など冬場の悪化を取り戻すものが見られ始めています。引き続き利上げ開始時期を巡って、今後の経済指標発表を受けて調整が続くものの明確なコンセンサスが形成されない状況が続くと考えられます。
  3. 欧州(前回からの変更なし)
    ギリシャ支援問題については、6 月末には現行の金融支援の枠組みの期限が到来します。ギリシャと債権者側との間の溝は埋まっていないようですが、それまでに進展があるか注意を払っておく必要があります。
    ECBは国債を中心とする資産購入を当初の予定通り2016 年9 月まで継続、必要であれば購入を継続する姿勢を強調していますが、今のところ金利の急騰やユーロ高に対する強い懸念は示されていません。クーレECB 理事発言も、購入時期の調整とみられ、購入ペースの恒久的な加速は示唆していないようです。
  4. 新興国(前回からの変更なし)
    中国人民銀行による5 月10 日の追加利下げを受けて市場は一時的に好感しましたが、その後発表の主要経済指標はおおむね予想を下回っており、追加緩和や各種政策対応への期待が高まっています。

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