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マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部世界経済のトレンド丸解り!今週の注目レポート

このコーナーでは、フィナンシャル・インテリジェンス部に配属された新人のルミが「世界経済の今・そしてこれから」を掴むために是非読んでおきたい、今週の重要レポート・ニュース記事を紹介します。(原則月曜日更新)

2015年10月26日

日米で金融政策に変更あるかが最大の焦点

「部長、おはようございます!」
「槙原君、おはよう。今週のポイントは?」
「日米の金融政策に注目する市場参加者が多いですが、黒田総裁会見後の16時半に私の人生最大の注目イベントがあります!」
「な、何なんだそれは!でもまずはノーマルに行こうじゃないか。米FOMCでは利上げなし、日銀の追加緩和も見送り、と想定しておけばいいのかね?」
「さすが部長、そうですね!市場では丁度1年前の「ハロウィン緩和」の教訓から、今回も政府・日銀が事前にはやらない素振りをみせた後にフェイントでサプライズ緩和をするという予想もあります。」
「予想されているのなら、サプライズではないぞ!でも季節がら、黒田総裁が仮装して「Stock or JREIT!」と現れるかもしれんな。両方だといいんだが。付利金利を下げるフリ、もあったりして笑」
「Trick or Treatをもじったんですね、さすが部長!でも糖尿が怖いのでお菓子は出ませんよ!」
「それはそうと、日米金融政策より重要なイベントとは一体、何なんだ!?」
「実は私、中国人の彼氏ロニーと結婚するので、コトブキ退社します!このコーナーも終了です!」
「」
「爆食、爆買いの次は爆婚、爆産か!なぜ部長の私が知らないのだ!?後任はいないのかね?!」
「部長、ご心配なく!ハイチからスティービーが来ました!そもそも私、もう新人じゃないんです!」
「寿退社、神前式なら出雲大社、若者は新陳代謝、か(寂寥の溜息)。槙原君、末永くお幸せに!」

詳細は以下をご覧ください。

なお、当レポートは今回をもって終了となり以後更新されません。ご迷惑をお掛けしますが、ご理解の程何卒宜しくお願い申し上げます。これまでのご愛読、誠に有難うございました。類似情報は米国株および中国株のMarket Pick UPなどでご覧頂けます。

今週の注目レポート・重要ニュース

【1.米国】

先週の米国市場は上昇しました。小動きでのスタートとなったダウ平均ですが、ドラギECB総裁が12月の追加緩和の可能性を示唆したことや、市場予想を上回る決算を好感して22日に大きく上昇すると、週末も中国の追加の金融緩和を受けて大幅続伸となりました。ダウ平均は週間で430ドル上昇し、200日移動平均線を約3カ月ぶりに回復しています。また、ナスダック総合株価指数は節目の5,000ポイントを8月19日以来およそ2カ月ぶりに回復しました。

1-1.FOMC

27日-28日にかけて連邦公開市場委員会(FOMC)が開催され、28日(日本時間29日未明)に結果が発表されます。9月のFOMCで米連邦準備理事会(FRB)は、世界景気減速懸念や市場の不安定のインフレ率への影響の評価に時間を要するとして利上げを見送りました。前回のFOMCから期間が短いことや、9月の雇用統計が市場予測を大きく下回り、鉱工業生産指数も2カ月連続でマイナスとなるなど弱い経済指標も目立つこともあって今回も利上げはないとの見方が大勢です。利上げ見送りならばイエレン議長の会見がないため、声明文から利上げ時期のヒントを掴めるかが注目されます。

1-2.米GDP

29日に7-9月期の米国内総生産(GDP)速報値が発表されます。7-9月期は4-6月期の3.9%増から成長率が大きく低下して年率換算で前期比1.7%増にとどまる見込みとなっています。予想比下振れるようだと年内の利上げ観測が一段と後退しそうです。

【2.欧州】

先週の欧州の主要株価指数はドラギECB総裁が12月の追加緩和の可能性を示唆したことや、中国の追加の金融緩和を受けて大きく上昇しました。ドイツのDAX指数が週間で7%近く上げたほか、フランスのCAC40指数も4%超の上昇となっています。 ユーロ/ドルも、ドラギECB総裁の追加緩和示唆を受けて1.13ドル台前半から1.11ドル割れへ急落、更に中国の追加緩和を受けて1.10ドル割れへ大幅続落しました。

2-1.ECB理事会

22日の欧州中央銀行(ECB)理事会では金融政策に変更はありませんでしたが、ドラギ総裁が理事会後の定例記者会見で「12月の理事会で緩和度合いを精査する」と発言し、12月3日の理事会でこれまで打ち止めを示唆していた利下げも含め、追加の金融緩和策を決める可能性を強く示唆しました。これを受けてユーロが対ドルで大きく下げたのにつれて、円売り・ドル買いが優勢となりドル円は円安に振れました。また、欧米株高を好感して日本株も大きく上昇しました。

2-2.ユーロ圏PMI

23日発表の10月のユーロ圏製造業PMI速報値は前月から横ばいの52.0となり市場予想を上回りました。サービス業を含めた総合PMIも、前月の53.6から54.0へ予想外に改善しました。

2-3.Ifo企業景況感指数

26日に10月の独Ifo企業景況感指数が発表されます。フォルクスワーゲンの排ガス不正問題もあって今回は前回の108.5から小幅に低下する見込みです。

2-4.ユーロ圏消費者物価指数

30日に10月のユーロ圏消費者物価指数が発表されます。9月のユーロ圏消費者物価は原油安などの影響で6カ月ぶりに前年同月比マイナスとなりましたが、今回はプラスに浮上する見込みです。 ECBが12月に追加緩和に踏み切るとの見方が強まっているだけに物価の動向に注目が集まります。

【3.日本】

先週の日本市場は大きく上昇しました。安川電機(6506)の決算などを受けて中国の過度な景気減速懸念が後退したことや、ドラギECB総裁が12月の追加緩和の可能性を示唆したことを受けての欧米株高、さらにドル円が円安に振れたことなどが好感されました。日経平均は週間で530円余り上昇しました。 ドル/円は、週央にかけて120円丁度近辺へ強含みとなった後、ECBの追加緩和示唆を受けて121円丁度手前まで上昇しました。その後、本邦政府高官から目先の追加緩和に否定的な発言が流れたことから反落しましたが、中国のサプライズ追加緩和を受けて米利上げ期待が高まり、米利回りの上昇と共に121.56円へ大幅反発しました。 ユーロ/円は、ECBの追加緩和示唆を受けたユーロ安の影響の方が大きかったことから、135円台半ばから133円台半ばへ下落しました。

3-1.CPI

30日に9月の消費者物価指数(CPI)が発表されます。8月のコアCPIは前年同月比で0.1%低下と、2013年4月以来2年4カ月ぶりにマイナスとなりましたが、9月も0.2%低下と2カ月連続のマイナスが見込まれています。予想比下振れるようだと当日に結果発表となる日銀の金融政策決定会合での追加緩和への期待が一段と高まりそうです。なお、日銀が最近重視しているコアコアCPI(除く食料・エネルギー)は前月の0.8%上昇から0.9%上昇へ伸びが加速する見込みとなっておりこの面からは日銀の追加緩和期待は後退するかもしれません。

3-2.金融政策決定会合

30日に日銀の金融政策決定会合が開催されます。日銀は今回の会合で成長率・物価見通しを下方修正するとみられますが、そうしたなかで昨年に続いて追加の金融緩和に踏み切るかが注目されます。前回の会合後の会見でも黒田総裁は物価に対して引き続き強気の姿勢を崩しませんでしたが、昨年は物価に対する強気の発言を繰り返すなかで10月30日に突然の追加緩和に踏み切ったことから、今年もマーケットでは30日の会合で日銀が追加緩和に踏み切るとの期待が高まっています。したがって仮に期待に反して現状維持となれば、日本株が売られ、円が買われる場面があるかもしれません。

3-3.決算発表

3月期決算企業の中間決算発表が今週から一段と本格化し、主要企業でみると30日がピークとなります。中国の景気減速の企業業績への影響がどの程度なのかが今回の決算では注目されており、今週は27日のファナック(6954)や28日のコマツ(6301)、29日の新日鉄住金(5401)、30日の海運大手など中国との関連の深い企業の決算発表も数多く予定されています。

【4.中国】

先週の上海市場は小幅に上昇しました。小幅反落でスタートした上海総合指数は21日に利益確定の売りで3%安と大きく下げる場面もみられましたが、26-29日開催の五中全会での政策期待などが支えとなり週間では0.6%上昇しています。なお、23日引け後に中国人民銀行は銀行の貸し出しと預金の基準金利を0.25%ポイント下げると同時に預金準備率を0.5~1.0%ポイント下げる追加の金融緩和を発表しています。

4-1. 中国GDP

19日に発表された7-9月期の中国GDP成長率は前年同期比6.9%増でした。市場予想の6.8%増は上回ったものの、政府が目標としている7%を6年半ぶりに下回りました。消費は堅調でしたが、生産や投資の低迷が足を引っ張った格好です。この結果を受けて日経平均は一時下げ幅を縮めました。また、ドル円は円安に振れる場面がみられました。

4-2. 5中全会

第18期党中央委員会第5回全体会議(5中全会)が26日から4日間の日程で開催されます。2016~20年の経済政策の運営方針を定める「第13次5カ年計画」の草案を巡る議論がされるとみられますが、そうしたなかで今年の7%の成長目標がどの程度引き下げられるか、そして成長維持のためにどのような経済対策が策定されるのかが注目されます。

グローバル・マクロ・ポリシー・ビュー(世界経済・政策の基本観)

  1. 日本
    日銀は10月6-7日の決定会合で追加緩和を見送りました。日銀は、インフレ率について原油安の影響でマイナス化しているコアCPIよりも、エネルギーを除いた「日銀版」コアコアCPIがプラス1.1%で推移している点に言及するなど、金融政策運営において物価の基調的な動向を重視する姿勢を繰り返し強調しています。政府高官も、追加緩和の必要性に否定的な発言を繰り返しています。もっとも、日本では4-6月期に続き7-9月期もGDPのマイナス成長が続き、技術的な景気後退に陥るリスクが懸念される中、早ければ今週10月30日の決定会合で追加緩和が行われるという市場の期待は根強く残っています。
  2. 米国(前回から利上げ期待がやや高まる)
    10月入り後の米主要経済指標は弱めのものが続いていますが、先週のECB追加緩和示唆や中国追加緩和を受けて世界金融市場が安定化に向かっており、この面では利上げ開始に向けたハードルがやや低下したとみることもできます。とはいえ、10月27-28日の会合での利上げ開始を予想する向きは少なく、声明文で次回12月会合での利上げ開始に向けたコミュニケーションが図られるかが焦点となります。
  3. 欧州(次回追加緩和決定の可能性が高まる)
    10月22日のECB政策理事会後の定例記者会見でドラギ総裁は、現在マイナス0.2%となっている中銀預金金利の更なる引下げも含めたあらゆる措置を検討、次回12月3日の会合で追加緩和が実施される可能性が非常に高まりました。市場では追加緩和措置として、マイナス0.3%への追加利下げや、現在は16年9月までとなっている資産購入プログラムの半年から1年間程度の期限延長などが予想されています。
  4. 新興国(年内の中国追加緩和期待は後退)
    10月26-29日開催の第18期党中央委員会第5回全体会議(五中全会)を前に中国人民銀は追加緩和(貸出・預金金利と預金準備率の引き下げ)、および預金金利の上限撤廃を発表しました。金融政策面では、来年の追加緩和期待は残っていますが、年内の追加緩和期待はやや後退したとみられます。

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