今週の特徴:資源通貨が安値を示現
今週は、独フォルクスワーゲン株価の急落を背景とした欧州株安、23日発表の中国財新製造業PMIの予想外の悪化、そしてプラチナなど一部資源安と共に、豪ドルや南アランドが大きく下落したのが特徴的だった。南アランド/円は一時8.47円と年初来安値を更新、豪ドル/米ドルは一時0.6939ドルと年初来安値(0.6896ドル)に迫った。他方、ドル/円は先週の米FOMC後に目先の日米金融政策に関する方向性が不透明となる中で、120円を中心とする方向感のないレンジ取引が続いた。
来週の見通し:欧米インフレ対決
来週は、欧米のインフレ指標を受けて欧米金融政策見通しが明確化するかが焦点となりそうだ。米国では月末・月初で多くの重要統計が発表されるが、中でもコアPCEデフレータと米雇用統計のうち平均時給が共に加速の予想となっていることから、予想通りとなった場合に10月FOMCでの利上げ開始期待が俄かに高まり、ドル高となる可能性がある。他方、ユーロ圏で発表予定の総合インフレ率(HICP)は再びゼロへ鈍化する見込みで、ECB追加緩和期待が高まる可能性がある。このため、これらが組み合わさるとユーロ/ドルに再び下落圧力がかかりそうだ。なお、本邦では日銀短観の業況判断DIが現況だけでなく先行きも悪化の予想となっており、7-9月期のマイナス成長継続を想起させると、追加緩和期待と円安圧力となる可能性があり、ドル/円もレンジながらどちらかというと上昇バイアスがある。
1.ドル/円
来週のドル/円は、米インフレ指標と日銀短観が注目材料だ。米国では月末・月初で多くの重要統計が発表されるが、中でもコアPCEデフレータ前年比(28日、前月+1.2%、市場予想+1.3%)と米雇用統計(10月2日)のうち平均時給前年比(前月+2.2%、市場予想+2.4%)が共に加速の予想となっていることから、予想通りとなった場合に10月FOMCでの利上げ開始期待が俄かに高まり、ドル高となる可能性がある。他方、本邦では10月1日発表の日銀短観の業況判断DIが現況だけでなく先行きも悪化の予想となっており、7-9月期のマイナス成長継続を想起させると、追加緩和期待と円安圧力となる可能性がある。今週の指標だけで10月利上げは決定的とはならず、引き続きメインシナリオは12月FOMCでの利上げ開始とみているが、今週はレンジ内ながらもどちらかというと上昇バイアスがありそうだ。
2.ユーロ
ユーロ/ドルは、欧米のインフレ指標を受けて欧米金融政策見通しが明確化するかが焦点となりそうだ。米国では月末・月初で多くの重要統計が発表されるが、中でもコアPCEデフレータ前年比(28日、前月+1.2%、市場予想+1.3%)と米雇用統計(10月2日)のうち平均時給前年比(前月+2.2%、市場予想+2.4%)が共に加速の予想となっていることから、予想通りとなった場合に10月FOMCでの利上げ開始期待が俄かに高まり、ドル高となる可能性がある。他方、ユーロ圏で30日に発表予定の総合インフレ率(HICP)は再び前年比ゼロへ鈍化する見込みで、ECB追加緩和期待が高まる可能性がある。このため、これらが組み合わさるとユーロ/ドルに再び下落圧力がかかりそうだ。
3.豪ドル
豪ドル/米ドルは、米ドル動向と、10月1日発表の中国各種PMI発表を受けた中国景気減速懸念とコモディティ価格動向が重要となる。米経済指標、特にコアPCEデフレータ前年比(28日、前月+1.2%、市場予想+1.3%)と米雇用統計(10月2日)のうち平均時給前年比(前月+2.2%、市場予想+2.4%)が共に加速の予想となっていることから、予想通りとなった場合に10月FOMCでの利上げ開始期待が俄かに高まり、米ドル高となる可能性がある。他方、中国PMIについては改善への反応よりも悪化への反応が大きい状況が続くとみられ、悪化した場合の資源安と豪ドル続落リスクが大きい。この場合、豪ドル/米ドルは下落トレンドが続き、9月7日につけた年初来安値(0.6896ドル)を下回る可能性がある。
(今週のレンジ実績は月曜から金曜昼頃まで、数値はBloombergより)
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