今週の特徴:資源関連が反発したが、ドル/円はレンジ
今週は、週初28日にスイス大手資源商社グレンコアの債務問題が焦点となり、29日にかけて世界的に株式市場やコモディティ市場が下落したことから、豪ドルや米ドル/円が下落した。もっとも、その後グレンコア株価が急速に持ち直すと、豪ドルや米ドル/円も反発した。とは言え、米ドル/円は引き続き、119-121円の狭いレンジ内推移が続いている。この間、ユーロ/ドルは、ドイツ分やユーロ圏分のHICPの予想外のマイナス転を受けて、ECB追加緩和期待から軟化する局面もみられたが、ユーロ安基調は強まらず、9月下旬以降の1.11-1.13ドル程度のレンジ内に収まった。
来週の見通し:米タカ派>日欧ハト派後退>豪ハト派
来週は、豪RBA理事会(6日)、日銀決定会合(7日)、米FOMC議事要旨(8日)などが注目材料となりそうだ。但し、ドル/円は119-121円を中心としたレンジが続きそうだ。市場では日銀の追加緩和期待が燻るものの、年内は追加緩和が行われない可能性が高いとみており、失望から下落するリスクが高い一方、米FOMC議事要旨では利上げの必要性に関する議論がみられドル買い材料となる可能性がやや高いとみている。豪ドルは、RBA理事会で利下げ予想は少ないものの今後の利下げの可能性が示唆されれば0.69ドル丁度方向へ下落しそうだ。この間、ユーロ/ドルは、FOMC議事要旨からくるドル高リスクがある一方、ECB議事要旨(8日)では追加緩和に関する慎重な議論が示されユーロ高となるリスクにも注意が必要で、結局1.11-1.13ドルを中心としたレンジが続きそうだ。
1.ドル/円
来週のドル/円は、今晩の米雇用統計を受けてドルがどのように動くかで発射台が変わってくるが、119-121円を中心としたレンジが続きそうだ。市場では日銀の追加緩和期待が燻るものの、今週発表の日銀短観は良好な結果だったことや、日銀がエネルギーを除くインフレ率に焦点を移していることなどから、年内は追加緩和が行われない可能性が高いとみており、早ければ今回にも追加緩和が決定されると見ている市場にとっては失望で円高リスクが高い。他方、米FOMC議事要旨ではややハト派的に解釈された9月声明文と比較して、利上げの必要性に関する議論がみられタカ派的な内容となり、ドル買い材料となる可能性がやや高そうだ。
2.ユーロ
ユーロ/ドルは、比較的材料が少ないが、FOMC議事要旨(8日)からくるドル高リスクがある一方、ECB議事要旨(8日)では追加緩和に関する慎重な議論が示されユーロ高となるリスクにも注意が必要で、結局強い方向感が出ず1.11-1.13ドルを中心としたレンジが続きそうだ。
3.豪ドル
豪ドル/米ドルは、中国が7日まで休場だが、コモディティ安基調が続く中で6日のRBA理事会で利下げ予想は少ない中で今後の利下げの可能性が示唆されれば、FOMC議事要旨を受けた米ドル高と相まって0.69ドル丁度方向へ下落しそうだ。Bloombergまとめによれば、今回RBA理事会での利下げ予想は24名中1名だが、次回11月理事会では5名となっており、十分には織り込まれていない。
(今週のレンジ実績は月曜から金曜昼頃まで、数値はBloombergより)
(※)印刷用PDFはこちらよりダウンロードいただけます。