市況概況 - まとめ -

マネックス証券オリジナル市況概況 (毎営業日、朝夕2回更新。)

  • 朝(8時30分ごろ) NY概況および東京市場見通し
  • 夕(17時30分ごろ) 東京市場概況および個別銘柄概況

執筆者:マネックス証券 プロダクト部

黒田日銀総裁の発言をきっかけとした円高進行を受け日経平均は182円安と反落

日本株式市場

1.概況
本日の日経平均は182円安の1万6627円と反落しました。TOPIXやJPX日経400、新興市場のマザーズ指数など主要指数は総じて下落しました。昨夕に黒田日銀総裁が「ヘリコプターマネー」について否定的な発言を行ったと報じられたことをきっかけにドル円が105円台まで円高に振れたことを受け、日経平均は197円安と反落して寄り付きました。前場の日経平均は安値圏での揉み合いといった格好で、寄り付き後に118円安まで下げ幅を縮めた後に10時半頃には再び200円安余りまで下げ幅を広げたものの、結局前引けは150円安となりました。後場に入って日経平均はさらに下げ幅を広げると、14時過ぎに243円安の1万6566円と本日の安値をつけました。ただ、そこから引けにかけては値を戻し結局182円安での大引けとなりました。東証1部の売買代金は2兆4289億円と2兆円を上回りました。東証33業種は金属製品、医薬品、情報・通信業、水産・農林業の4業種が上げた一方で海運業や空運業など29業種が下げています。

2.個別銘柄等
本日も東証1部の売買代金トップは任天堂(7974)で0.8%高と小幅に続伸しました。任天堂は2%以上下げて始まりましたが、まもなく小幅なプラスに転じました。そして10時頃に「ポケモンGO」が日本でリリースされたことがわかると急速に上げ幅を広げ一時は7%高近くまで上昇しました。関連株も活況で、全店で「ポケモンGO」向けサービスを提供する日本マクドナルドホールディングス(2702)が4.2%高となったほか、玩具卸のハピネット(7552)や子会社がポケモン関連施設を運営するサノヤスホールディングス(7022)がそれぞれストップ高となりました。その他材料が出たところでは、昨日の大引け後に平成27年10月-平成28年6月期の決算発表を行ったサイバーエージェント(4751)が10%超の大幅安となりました。通期の業績予想を上方修正するなど堅調でしたが、投資を強化しているスマートフォン向けインターネットテレビの「AbemaTV」の収益化の進捗などに不安が出たようです。一方、人事コンサルティングなどを手がけるリンクアンドモチベーション(2170)が15%超の大幅高となりました。1-6月期の営業利益が前年同期比2倍となったとの観測報道が好感されました。

【VIEW POINT: 明日への視点】
黒田総裁の発言をきっかけとした円高進行を受け、日経平均は反落しました。いよいよ来週28日から29日にかけて日銀の金融政策決定会合が開催されます。なんらかの追加金融緩和が実施されるのではないかと市場の期待は高まっており、もし現状維持となった場合一時的に円高が進行して株安となる可能性が高いとみられ注目されます。また、来週から徐々に日本企業の決算発表が本格化します。円高進行を受け業績予想の下方修正が増加するかなどが注目されます。

(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 益嶋 裕)


中国株式市場

上海市場と香港市場ともに反落

上海総合指数:3,012.82(-26.19)
香港のハンセン指数(日本時間16時時点):21,914.76(-85.73)

1.概況
<中国本土市場>
上海総合指数は反落となりました。昨日の終値近辺で小幅に下げてスタートした上海総合指数ですが、買い材料に乏しいなか週末ということもあってポジション調整の売りが出やすく下げ幅を徐々に広げる展開となりました。後場に一時1%安まで売られましたが、節目の3,000ポイントを前にやや値を戻し、結局上海総合指数は0.9%安で取引を終えています。

<香港市場>
ハンセン指数は反落しています。昨日の米国株安と原油価格の下落に加え、昨日に指数が節目の22,000ポイントを回復したこともあって利益確定売りに押されハンセン指数は下落し22,000ポイントを割り込んで寄り付きました。その後下げ幅をやや縮めたものの、本土市場の軟調推移も重石となり引き続き軟調な推移となっています。日本時間16時時点で公益事業株指数が小幅に上昇している一方、商工業株指数や不動産株指数、金融株指数が下落となっています。

2.個別銘柄動向等(香港マーケット、日本時間16時時点まで)
香港市場では、前日大きく上昇していた不動産株が軒並み軟調に推移しており、シノランド (信和置業・00083)やニューワールド・デベロップ(新世界発展・00017)などが売られています。また、1-6月期の大幅減益を嫌気して中国証券最大手のチュウシンショウケン(中信証券・06030)が1%を超える下げとなっています。さらに、外資系証券による目標株価の引き下げを受けて食品のティンイー (康師傅・00322)が3%近く下落し、ハンセン指数構成銘柄で下落率がトップとなっています。

一方で、金相場の上昇が好感されズージンマイニング (紫金砿業・02899)やジャオジンマイニング (招金砿業・01818)などの金鉱株が堅調に推移しています。また、ディフェンシブ銘柄とされる電力のCLPホールディングズ (中電控股・00002)も買われています。

(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 林 宇川)

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