市況概況 - まとめ -

マネックス証券オリジナル市況概況 (毎営業日、朝夕2回更新。)

  • 朝(8時30分ごろ) NY概況および東京市場見通し
  • 夕(17時30分ごろ) 東京市場概況および個別銘柄概況

執筆者:マネックス証券 プロダクト部

日経平均93円安と米国株高受けるも続落 来週から3月決算企業の3Qの決算発表がスタート 

日本株式市場

日経平均93円安と米国株高受けるも続落 来週から3月決算企業の3Qの決算発表がスタート 

1.概況
本日の日経平均は93円安の1万7147円と続落しました。TOPIXやJPX日経400、新興市場のマザーズ指数など主要指数は総じて下落しました。昨日の米国市場でダウ平均が230ドル近い大幅上昇となり、ドル円が118円台まで円安に振れたことを受け、日経平均は281円高の1万7522円で寄り付きました。日経平均は寄付後に一時356円高まで上げ幅を広げましたがそれ以上の高値追いはできず、上海総合指数が反落して再び節目の3,000ポイントを割り込んだことも重石となってか、徐々に上げ幅を縮めました。前場を126円高で終えた日経平均は後場に入ってもさらに上げ幅を縮めると、13時頃にはマイナスに転じました。その後はマイナス圏での推移が中心となり、一時は下げ幅を180円余りまで広げました。大引けにかけてはやや下げ幅を縮めたものの続落となりました。東証1部の値上がり銘柄数723に対し値下がりが1,115と値下がり銘柄が多数となりました。東証33業種では空運業、陸運業といった原油安で恩恵を受けやすい業種など計13業種が上昇、保険業や証券商品先物など20業種が下落しました。

2.個別銘柄等
東証1部の売買代金トップのトヨタ(7203)、2位の三菱UFJ(8306)、4位のみずほ(8411)など売買代金上位銘柄は値下がり銘柄が多くなりました。一方、ソフトバンクG(9984)やNTT(9432)といった通信株が堅調でした。売買代金11位に入ったシャープ(6753)は15%近い大幅高となりました。台湾の鴻海がシャープの買収金額を7000億円に引き上げると報じられ、足下の時価総額を大きく上回る金額であるとともに、TOB実施等への期待から買われました。材料が出たところでは、昨日の大引け後に今期の業績予想を下方修正したデパートの松屋(8237)は11.5%の急落となりました。一方、KDDI(9433)とスマートフォン向けのメディア事業に関する業務提携を行うと発表したニュース配信アプリを展開するGunosy(6047)は、今後の業績拡大への期待からストップ高となりました。

【VIEW POINT: 明日への視点】
米国株の大幅上昇を受けても続落と、日本市場のセンチメントの弱さが浮き彫りとなる1日でした。米国株や原油価格等の外部要因次第とはなりますが、来週は昨日サポートされた格好となった日経平均1万7000円を割り込まずに推移できるかがポイントとなりそうです。また、来週は20日に安川電機(6506)、21日に日本電産(6594)など3月決算企業の3Qの決算発表幕開けとなり注目されます。

(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 益嶋 裕)


中国株式市場

上海総合指数は大幅反落

1.概況
本日の上海総合指数は前日比106ポイント安(3.6%)の2,900ポイントと大幅に反落し再び節目の3,000ポイントを割り込み、昨年8月26日に付けた年来安値を更新しました(年初来で18.0%安の水準)。また、中国の創業板指数(日本のマザーズ市場に相当)も62ポイント安(2.9%)も2,112ポイントと大幅に反落しました。更に、香港のハンセン指数は日本時間16時時点で254ポイント安の1万9563ポイントと続落しています。

中国市場で上海総合指数は終日軟調な推移となりました。前日引け後に発表されたマネーサプライM2が13.3%増と前月から伸びがやや鈍化し市場予想も下回ったことや、12月の外国為替資金残高が過去最大の減少を記録したことが嫌気され上海総合指数は節目の3,000ポイントを割り込んで寄り付きました。その後、一旦切り返し節目の3,000ポイントを回復する場面もありましたが、週末ということもあって下げ幅を広げると結局、上海総合指数は2,900ポイントをなんとか維持したものの、3,000ポイントを大きく割り込み昨年来安値を更新して取引を終えました。

香港市場では、昨日の米国株が大幅に反発したにもかかわらず、香港ドルの対米ドル相場が2011年11月下旬以来ほぼ4年1カ月ぶりの安値を付けたことで資金流出が警戒されハンセン指数は続落して始まりました。その後は、本土市場の大幅下落も重石となり下値を模索する展開となっています。日本時間16時時点で、公益事業株指数がわずかに下落しているほか、商工業株指数や金融事業株指数、不動産株指数などが1%超下落しています。

2.個別銘柄動向等(香港マーケット、日本時間16時時点まで)
香港市場はほぼ全面安となっています。昨日発表の冴えないマネーサプライM2を受けて、金融関連の株が総じて軟調に推移しています。なかでも保険大手の中国平安保険(ピンアン・インシュアランス、2318)が3%超下落しているほか、商業銀行の工商銀行(1398)も1%超下げています。また、鉄道車両メーカーの中国中車(1766)は弱気な投資判断を受けて4%超値下がりしています。中国鉄建(チャイナ・レールウェイ・コンストラクション、1186)もつれ安となっています。更に、時間外で原油価格が反落したことを受けて中国海洋石油(CNOOC、0883)が2%超続落しているほか、昆侖能源(クンルン・エナジー、0135)も3%余り下げているなど、エネルギー株が揃って冴えない展開となっています。

【VIEW POINT: 明日への視点】
本日は上海総合指数が前日に回復した節目の3,000ポイントを再び割り込み昨年来安値を更新しました。そのため投資家心理は一段と悪化しているとみられますが、昨年来安値を下回ったことで政府の新たな株価対策も期待されることから、来週はひとまず下げ渋る可能性もありそうです。なお、来週は19日に10-12月期のGDPや12月分の鉱工業生産、小売売上高などの主要経済指標の発表が予定されており注目されます。

(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 林 宇川)

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