市況概況 - 朝 -

マネックス証券オリジナル市況概況 (毎営業日、朝夕2回更新。)

  • 朝(8時30分ごろ) NY概況および東京市場見通し
  • 夕(17時30分ごろ) 東京市場概況および個別銘柄概況

執筆者:マネックス証券 プロダクト部

米国市場は年末の2日間でダウ平均が300ドル近い下げ 年明け最初の日本市場は反落スタートか

NYダウ: 17425.03  ▼178.84 (12/31)
NASDAQ: 5007.41  ▼58.44 (12/31)

【米国株式市場】
<ニューヨーク市場>

あけましておめでとうございます。本年もどうぞよろしくお願いします。

ニューヨーク市場
1.概況
2015年12月30日の米国市場は欧州株安や原油在庫の増加を嫌気して下落した原油価格を受けて反落しました。取引開始直後から軟調な展開が続いたダウ平均は取引終盤で下げ幅を広げ130ドル安余りまで下落しました。引けにかけてやや持ち直したものの結局ダウ平均は117ドル安の17,603ドルで取引を終えました。また、また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も42ポイント安の5,065ポイントとなっています。
31日の米国市場は続落となりました。原油価格の下落や欧州株安を受けて下落して始まったダウ平均は150ドル安余りまで売られると、一旦切り返し原油価格がプラスに転じたこともあって昼過ぎには前日終値近辺まで戻す場面もみられました。しかし、年内最終取引日ということもあってポジション調整の売りが出て午後に再び下げ幅を広げました。引けにかけて一段安となったダウ平均は結局178ドル安の17,425ドルとほぼ安値引けで取引を終えました。この結果2015年のダウ平均は年間で2.2%の下落と2008年以来7年ぶりのマイナスとなっています。また、ハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数も58ポイント安の5,007ポイントとなりましたが、年間では5.7%上昇し4年連続のプラスとなっています。

2.経済指標等
12月30日に発表された11月の中古住宅販売仮契約指数は前月比0.9%低下の106.9と2カ月ぶりのマイナスとなり上昇を見込んでいた市場予想を下回りました。
31日に発表された12月のシカゴ購買部協会景気指数は42.9と前月の48.7から低下し改善を見込んでいた市場予想を下回りました。週間の新規失業保険申請件数は前週比2万件増の28万7000件と2015年7月以来の高水準となり市場予想を上回って悪化しました。

3.業種別動向
12月30日の米国市場で業種別S&P500株価指数は10業種全てが下げました。なかでもエネルギーや素材が1%を超える下落となりました。
31日の米国市場で業種別S&P500株価指数はエネルギーを除く9業種が下げました。なかでも情報技術と生活必需品、公益事業が1%を超える下落となり、電気通信サービスや一般消費財・サービスも1%近く下げています。

4.個別銘柄動向
12月30日の米国市場でダウ平均構成銘柄はウォルマート・ストアーズ(WMT)を除く29銘柄が下げました。なかでもアップル(AAPL)、シェブロン(CVX)、インテル(INTC)、ビザ(V)が1%を超える下落となりました。ダウ平均構成銘柄以外ではブリヂストン(5108)が買収を断念したことでタイヤ販売大手のペップ・ボーイズ(PBY)が下げ、優先証券の償還に絡み、2015年10-12月期の利息収入が約6億ドル減ると発表したバンク・オブ・アメリカ(BAC)も下げています。一方で子会社の債務圧縮で合意したと発表した太陽光発電のサンエジソン(SUNE)が上昇しました。
31日の米国市場でダウ平均構成銘柄はゼネラル・エレクトリック(GE)を除く29銘柄が下げました。なかでもハイテク株の下落が目立ちアップル(AAPL)が2%近く下げたほか、インテルやマイクロソフト(MSFT)が1.5%前後の下落となり、ダウ平均構成銘柄で下落率上位となっています。また、ダウ平均構成銘柄以外では2年契約を前提に解約しにくくする2年縛りのサービス提供を停止すると伝わったAT&T(T)が売られました。

5.為替・金利等
12月30日の長期金利は米国株安や原油価格の下落を受けて0.01%低い2.29%となりました。31日も長期金利は米経済指標の悪化や米国株安で0.02%低い2.27%となりました。ドル円は30日こそ小動きでしたが、31日は米国株安や低調な米経済指標を受けて円が買われ一時120円近辺まで円高が進む場面がありました。朝方は120円台前半での推移となっています。

【VIEW POINT: 今日の視点】
ダウ平均が先月30日と31日の2日間で296ドル近く下げたことから昨年に続いて2016年も年明け最初の日本市場は下落でのスタートが予想されます。日経平均は昨年末に回復した19,000円の節目を再び大きく割り込みそうですが、こうしたなか75日移動平均線(12月30日時点で18,826円)がサポートとなるかがポイントとなりそうです。また、先月22日以降6営業日連続で2兆円を下回る状態が続いている東証1部の売買代金にどれだけ回復がみられるが注目されます。なお、10時45分に2015年12月の財新中国製造業PMIが発表されます。1日に発表された政府発表の12月の中国製造業PMIは49.7と前月の49.6から小幅に改善しました。本日の財新中国製造業PMIも48.9と前月の48.6から改善が見込まれています。

(マネックス証券 シニア・マーケットアナリスト 金山 敏之)

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