市況概況 - まとめ -

マネックス証券オリジナル市況概況 (毎営業日、朝夕2回更新。)

  • 朝(8時30分ごろ) NY概況および東京市場見通し
  • 夕(17時30分ごろ) 東京市場概況および個別銘柄概況

執筆者:マネックス証券 プロダクト部

円高進行や中国市場の取引停止受け日経平均大幅続落

日本株式市場

円高進行や中国市場の取引停止受け日経平均大幅続落

1.概況
本日の日経平均は423円安の1万7767円と大幅に4日続落となりました。TOPIXやJPX日経400、新興市場のマザーズ指数など主要指数は総じて下落しました。昨日の米国市場でダウ平均が250ドル以上下落したことを受け、日経平均は51円安で寄り付きました。寄り付き後しばらくは小幅安での推移となりましたが、10時15分頃に発表された人民元の対ドル基準値が昨日よりさらに元安ドル高となったことがわかると、それまで118円70銭程度で推移していたドル円が117円台後半まで1円近く円高に振れ、日経平均も下げ幅を拡大しました。10時半に取引が始まった上海市場が大幅安となり、まもなくサーキットブレーカー制度が発動して本日の取引が早々に終了したことで日経平均はさらに下げ幅を広げると、結局前場を324円安で引けました。日経平均は後場に入ってやや下げ幅を縮める場面もありましたが反発力は弱く、13時半過ぎから一段安となりまもなく下げ幅は400円を超えました。その後も日経平均はほとんど反発することなく推移し、結局本日の安値で取引を終えました。業種別には電気・ガス業がわずかに値上がりしたほかはすべての業種が下落しました。医薬品、食料品などディフェンシブセクターは比較的小幅な下げにとどまっています。

2.個別銘柄等
幅広い銘柄が売られ、東証1部の売買代金20位まですべての銘柄が下落しました。売買代金トップのトヨタ(7203)は4日続落で昨年の9月30日以来約3ヶ月ぶりに7,000円の節目を割り込みました。その他ソニー(6758)が3.5%安、メガバンク3行が揃って2.5%前後の下落、富士重工業(7270)が4.3%安など売買代金上位銘柄は大きく売られました。材料が出たところでは、昨日の大引け後に行った3-11月期の決算発表で営業利益が前年同期比16.6%増と好調だったドラッグストアを展開するスギホールディングス(7649)は、1.9%高と買われました。ツルハホールディングス(3391)、サンドラッグ(9989)、コスモス薬品(3349)などその他のドラッグストアも連れ高となっています。また、大東建託(1878)は昨日発表した12月の月次受注高が前年同期比6.3%増と好調だったことが好感され、2.4%高となりました。

【VIEW POINT: 明日への視点】
中国株安と円高進行を受け日経平均は大幅に続落となりました。昨日の当欄でも記しましたが、株価の大底は誰にもわかりません。ただ、東証1部の騰落レシオは68.8%、日経平均の予想PERは14倍台後半とテクニカル指標面からもファンダメンタルズ面からも一定の割安感は出てきています。

(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 益嶋 裕)


中国株式市場

上海総合指数が大幅反落

1.概況
本日の上海総合指数は前日比236ポイント安(7.0%)の3,125ポイントと大幅に反落しました(年初来で11.7%安の水準)。また、中国の創業板指数(日本のマザーズ市場に相当)は211ポイント安(8.6%)の2,256ポイントと大幅に反落しました。更に、香港のハンセン指数は日本時間16時時点で580ポイント安の2万400ポイントと大幅に続落しています。

中国市場では、中国人民銀行(中央銀行)が朝方、人民元相場の対ドルでの基準値を2011年3月以来の元安水準に設定したことが嫌気されたほか、国際原油価格の下落も投資家心理を冷やし、上海総合指数は下落して寄り付くと売りが売りを呼ぶ展開となり、日本時間11時ごろCSI300指数の騰落率が7%に達したことでサーキットブレーカーが発動され、本日の本土市場の取引がすべて停止となりました。

香港市場では、昨日の米国株安と原油安の流れを受けてハンセン指数は下落して始まりました。また、中国本土市場のサーキットブレーカーの発動で取引が停止したことが投資家心理の悪化につながり、下げ幅を急速に拡大し、軟調な展開となっています。日本時間16時時点で、不動産株指数や、金融事業株指数、公益事業株指数、商工業株指数などが軒並み下げています。なかでも金融事業株指数が3%近く下落しているほか、商工業株指数は3%超の下落となっています。

2.個別銘柄動向等(香港マーケット、日本時間16時時点まで)
香港市場はほぼ全面安となっています。中信証券(6030)をはじめとする証券株が軟調に推移しています。株式の売買を停止する制度が相次いで発動し、証券会社の収益悪化を懸念する売りが膨らんでいます。また、吉利汽車(ジーリー、0175)は昨日引け後に、2015年12月本決算で純利益が前年に比べ50-60%増える見通しを発表したにも拘らず、5%超下落しています。更に、原油の下落が嫌気され、中国石油化工(シノペック、0386)や中国石油天然気(ペトロチャイナ、0857)などの石油株も揃って値下がりしています。昨日に大きく上昇した石炭の大手の中国神華能源(チャイナ・シェンファ・エネルギー、1088)も利益確定売りに押され6%超下げています。

【VIEW POINT: 明日への視点】
中国証券監督管理委員会(CSRC)は本日午前中に、上場企業の大株主による株式売却を制限する措置(3カ月間に売却できる株式を発行済み株式数の1%以内とする)を発表しましたが、それを受けてパニックになってきた中国本土市場が落ち着くのを期待したいところです。また、本日オフショア人民元相場で対ドル人民元が一時元高に振れた場面がみられましたが、明日は元安が一服となるかが注目されます。

(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 林 宇川)

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