マネックス証券オリジナル市況概況 (毎営業日、朝夕2回更新。)
- 朝(8時30分ごろ) NY概況および東京市場見通し
- 夕(17時30分ごろ) 東京市場概況および個別銘柄概況
執筆者:マネックス証券 プロダクト部
米国市場は人民元安や原油価格の下落で大幅続落 日経平均は年初から5日続落か
NYダウ: 16514.10 ▼392.41 (1/7)
NASDAQ: 4689.43 ▼146.34 (1/7)
【米国株式市場】
<ニューヨーク市場>
1.概況
米国市場は止まらない人民元安や急落で売買停止となった中国株安、さらに一時およそ12年ぶりの安値を付けた原油価格の下落を嫌気し大幅続落となりました。大きく下落して始まったダウ平均は320ドル安近くまで売られた後、中国当局がサーキットブレーカー制度の停止を発表したことで下げ幅を一旦縮めましたが、アップル(AAPL)の目標株価引き下げが相場の重石となり午後に再び下げ幅を広げました。取引終盤に440ドル安余りまで下落したダウ平均は結局392ドル安の16,514ドルと安値圏で取引を終えています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数の146ポイント安の4,689ポイントと6日続落となっています。
2.経済指標等
週間の新規失業保険申請件数は前週比1万人減の27万7千人となり市場予想とほぼ一致しました。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は10業種全てが下げました。なかでも情報技術が3%を超える下落となったほか、金融や資本財・サービスも3%近く下げています。
4.個別銘柄動向
ダウ平均構成銘柄はウォルマート・ストアーズ(WMT)を除く29銘柄が下げました。なかでもボーイング(BA)やゼネラル・エレクトリック(GE)、JPモルガン・チェース(JPM)、アップルが4%を超える下落となり、キャタピラー(CAT)とシェブロン(CVX)も3%以上の下げとなっています。ダウ平均構成銘柄以外では9-11月期決算が市場予想を下回った住宅建設大手のKBホーム(KBH)が急落し、1割程度の人員削減を検討していると伝わったインターネット検索大手のヤフー(YHOO)も大きく下げました。一方で年末商戦を含む2015年11-12月の既存店売上高が3.9%増になったと発表した百貨店のJCペニー(JCP)が大幅高となり、9-11月期決算が増収増益で1株利益も市場予想を上回ったドラッグストアのウォルグリーンズ・ブーツ・アライアンス(WBA)が堅調でした。
5.為替・金利等
長期金利はリスクオフムードのなか安全資産の債券が買われ前日比0.03%低い2.14%となりました。こうしたなかドル円は一段と円高が進み117円台半ばでの推移となっています。
【VIEW POINT: 今日の視点】
米国株安に加え、ドル円が117円台を付け円高に振れていることから本日の日本市場は続落でのスタートが予想されます。こうしたなか本日も10時15分に発表となる人民元の対ドルでの基準値や、サーキットブレーカー制度の停止や大株主による保有株売却に一定の制限を設ける新しい規制が発表された上海市場の動向に神経質となりそうで、日経平均が節目の17,500円を前に下げ渋るかがポイントとなりそうです。また、本日はオプションのSQでSQ通過後は売り圧力も一旦弱まる可能性があります。年初から昨日までの4日間で1,200円以上も下げている日経平均が切り返すような展開となるかが注目されます。
(マネックス証券 シニア・マーケットアナリスト 金山 敏之)