市況概況 - まとめ -

マネックス証券オリジナル市況概況 (毎営業日、朝夕2回更新。)

  • 朝(8時30分ごろ) NY概況および東京市場見通し
  • 夕(17時30分ごろ) 東京市場概況および個別銘柄概況

執筆者:マネックス証券 プロダクト部

日経平均大幅安で6日続落 東証1部の騰落レシオは50%台まで低下

日本株式市場

日経平均大幅安で6日続落 東証1部の騰落レシオは50%台まで低下

1.概況
本日の日経平均は479円安と大幅に下落し、6日続落となりました。TOPIXやJPX日経400、新興市場のマザーズ指数など主要指数は総じて下落しました。ダウ平均が先週末と昨日の合計で115ドル下落したこと、昨日一時116円台まで円高が進むなど引き続き世界的にリスクオフムードとなっていることを受け、日経平均は227円安で寄り付きました。日経平均は寄り付き後も下げ幅を拡大し、前場を375円安で引けました。後場に入っても日経平均はほとんど反発することなく推移し、朝方は118円近くで推移していたドル円が117円台前半まで円高に振れると、一時は下げ幅が500円を超える場面もありました。日経平均は大引けにかけてやや値を戻したものの、結局本日の安値圏での大引けとなりました。東証1部の値上がり銘柄数はわずか33と全面安の商状でした。また、東証33業種は全業種が下落しています。

2.個別銘柄等
東証1部の売買代金上位100銘柄のうち、上昇したのは3銘柄にとどまりました。売買代金トップのトヨタ(7203)が1.6%安となったほか、メガバンク3行が3%~4%台の下げ、村田製作所(6981)も5.2%の下落となっています。売買代金10位に入ったホンダ(7267)は1円高とプラスで引けました。来年度の四輪車販売台数を今年度の販売見込みから8%増を目指すと報じられ、業績拡大への期待感から買われたようです。材料が出たところでは、先週末の大引け後に第1四半期の決算発表を行い、営業利益が前年同期比34.5%増と堅調だった島忠(8184)は4.2%高と堅調でした。業務提携を発表したスマートフォン向けゲームを展開するブロッコリー(2706)とKLab(3656)は、ブロッコリーがストップ高となり、KLabも1.3%高と堅調でした。

【VIEW POINT: 明日への視点】
日経平均は6日続落し、ついに東証1部の騰落レシオは57.8%と60%を割り込む水準まで低下しました。また、日経平均の25日移動平均線からの乖離率は8.6%とこちらも一般的に売られすぎの水準まで乖離が拡大しています。ファンダメンタルズ面から見ると、日経平均の予想PERは14倍台前半まで低下しています。マザーズ指数や小型株の強烈な下げを見ると、一部でパニック的な売りも出ているとみられます。もちろん株価の大底は誰にもわかりませんので、さらなる下値を見に行く可能性は否定できませんが、これらの指標から判断すると日本株は一定の買い妙味がある水準ではないでしょうか。

(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 益嶋 裕)


中国株式市場

上海総合指数はほぼ横ばい

1.概況
本日の上海総合指数は前日比6ポイント高(0.2%)の3,022ポイントと小幅に反発したもののほぼ横ばいでした(年初来で14.6%安の水準)。また、中国の創業板指数(日本のマザーズ市場に相当)は41ポイント高(2.0%)の2,147ポイントと反発しました。この間、香港のハンセン指数は日本時間16時時点で127ポイント安の1万9761ポイントと続落しています。

中国市場で本日の上海総合指数は前日の終値を挟んで揉み合う展開に終始しました。昨日に5%超下落しただけに自律反発を期待する買いが入り上海総合指数は小幅に上昇して始まりました。その後は、警戒感が強まる中利益確定売りに押され一時節目の3,000ポイントを割り込む場面もみられたものの、当局が政府資金による株式購入などの相場下支えに動くとの期待が浮上し、徐々に買い戻されると前日終値を挟んで揉み合う展開となり、結局ほぼ横ばいで引けました。

香港市場では、昨日のダウ平均の小幅上昇が好感されたほか、昨日ハンセン指数が節目の2万ポイントを割り込んだことから自律反発を期待した買いが入り、ハンセン指数は大幅に上昇して寄り付き、一時1%超買われると節目の2万ポイントを回復する場面がありました。但し、オフショア人民元相場で人民元の対ドルレートが荒っぽい値動きとなっていることへの不安が燻るなか、香港市場での人民元のオーバーナイトレート(Hibor)が66.8%と史上最高の水準となったことも嫌気され、午後に入るとハンセン指数はマイナスに転じ、その後は軟調な推移となっています。日本時間16時時点で、商工業株指数や金融事業株指数、不動産株指数が下落している一方、公益事業株指数が僅かに上昇しています。

2.個別銘柄動向等(香港マーケット、日本時間16時時点まで)
香港市場では、金融株の一部に買いが集まっています。なかでも商業銀行の中銀香港(BOCホンコン、2388)が2%超上昇しているほか、匯豐控股(HSBCホールディングス、0005)も小幅ながら上げています。また、ディフェンシブ銘柄とされる小売の中国蒙牛乳業(チャイナ・メンニウ、2319)も2%余り値上がりしています。

一方で、通信大手の中国聯通(チャイナ・ユニコム、0762)は昨日に外資系のアナリストが目標株価を引き下げたことが引き続き嫌気され、3%近く売られています。中国移動(チャイナ・モバイル、無線通信サービス、0941)もつれ安となっています。また、前日の原油価格が5%超下げたことから中国海洋石油(CNOOC、0883)や昆侖能源(クンルン・エナジー、0135)などのエネルギー株もそろって軟調に推移しています。

【VIEW POINT: 明日への視点】
本日の中国本土市場はいったん下げ止まった格好となりましたが、人民元のオーバーナイトレート(Hibor)の高騰などを受けて香港市場は小幅な続落となっています。市場のセンチメントが弱気に傾いているなか、積極的な買い材料が出ない限り、明日も小幅な値動きとなりそうです。また、明日の人民元相場で人民元の対ドルレートが落ち着くのか引き続き目が離せません。なお、明日(13日)は中国の12月の貿易統計の発表が予定されており、注目されます。

(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 林 宇川)

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