マネックス証券オリジナル市況概況 (毎営業日、朝夕2回更新。)
- 朝(8時30分ごろ) NY概況および東京市場見通し
- 夕(17時30分ごろ) 東京市場概況および個別銘柄概況
執筆者:マネックス証券 プロダクト部
米国市場は原油価格の下落で一時マイナスも押し目買い入り上昇 日本市場は今年に入って初めての上昇か
NYダウ: 16516.22 △117.65 (1/12)
NASDAQ: 4685.92 △47.93 (1/12)
【米国株式市場】
<ニューヨーク市場>
1.概況
米国市場は上昇しました。欧州株高を受けて上昇して始まったダウ平均は190ドル高余りまで買われましたが、WTIの先物価格が一時30ドル割れとなった原油価格の下落を嫌気し上げ幅を縮めるとお昼前にマイナスに転じました。その後は前日終値を挟んで揉み合う展開がしばらく続きましたが、取引終盤にかけて買い戻しが入り上げ幅を再び広げる展開となりました。結局ダウ平均は117ドル高の16,516ドルと続伸して取引を終えています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も47ポイント高の4,685ポイントと9営業日ぶりの反発となっています。
2.経済指標等
主要な経済指標の発表はありませんでした。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全10業種のうち8業種が上げ、なかでも情報技術とヘルスケア、一般消費財・サービスが1%以上の上昇となりました。一方で公益事業と電気通信サービスが下げています。
4.個別銘柄動向
2015年12月の旅客輸送実績が前年同月実績を上回った航空大手のアメリカン航空(AAL)が堅調となり、中国での出店を加速させる計画を発表したスターバックス(SBUX)が3%近く上昇しました。また、投資判断や目標株価の引き上げを受けてコカ・コーラ(KO)やアップル(AAPL)、インテル(INTC)などが上げています。さらに業績見通しを引き上げたカナダのスポーツ衣料のルルレモン・アスレティカ(LULU)が大幅高となっています。一方、決算で売上高が市場の期待に届かなかった非鉄大手のアルコア(AA)が9%安と急落しています。
5.為替・金利等
長期金利は原油価格の下落を受けて安全資産である債券が買われ前日比0.07%低い2.10%となりました。ドル円は117円台後半での推移となっています。
【VIEW POINT: 今日の視点】
米国株高を受けて本日の日本市場は7営業日ぶりに反発し、今年に入って初めての上昇となりそうです。こうしたなか日経平均がCMEの日経平均先物の終値(17,390円)を超えてどこまで上値を伸ばせるかがポイントとなりそうで、節目の17,500円を試すような展開となるかが注目されます。また、本日11時には中国の昨年12月の貿易統計が発表されます。輸入、輸出とも11月からマイナス幅が拡大するとみられていますが、景気の減速懸念が改めて強まっている中国の景気認識に変化がみられるかが注目されます。
(マネックス証券 シニア・マーケットアナリスト 金山 敏之)