マネックス証券オリジナル市況概況 (毎営業日、朝夕2回更新。)
- 朝(8時30分ごろ) NY概況および東京市場見通し
- 夕(17時30分ごろ) 東京市場概況および個別銘柄概況
執筆者:マネックス証券 プロダクト部
米国市場は大幅反落 ダウ平均は上昇して始まるも午後に下げ幅拡大 日本市場は昨日の上昇を吐き出す展開か
NYダウ: 16151.41 ▼364.81 (1/13)
NASDAQ: 4526.07 ▼159.85 (1/13)
【米国株式市場】
<ニューヨーク市場>
1.概況
米国市場は大幅反落となりました。昨年12月の中国の貿易統計を受けて中国景気に対する過度の不安が後退したことや、原油価格の反発を好感し上昇して始まったダウ平均ですが、週間の石油在庫統計で在庫が増加したことを嫌気して原油価格が弱含むとマイナスに転じ午後には大きく下げ幅を広げる展開となりました。取引終盤に390ドル安余りまで売られる場面もあったダウ平均は結局364ドル安の16,151ドルと安値圏で取引を終えています。また、S&P500株価指数も48ポイント安の1,890ポイントとなり、昨年9月29日以来の1,900ポイント割れとなっています。さらにハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は159ポイント安の4,526ポイントとなっています。
2.経済指標等
FRBが発表した米地区連銀経済報告(ベージュブック)では経済活動が9つの地区で前回報告から拡大したとの判断が示されました。また、昨年12月の米財政収支は144億4400万ドルの赤字で3カ月連続の赤字となっています。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は10業種全てが下げました。なかでも一般消費財・サービスが3%を超える下落となったほか、ヘルスケアも3%近く下げました。また、情報技術や金融、資本財・サービス、素材も2%以上の下落となっています。
4.個別銘柄動向
ダウ平均構成銘柄はエクソンモービル(XOM)を除く29銘柄が下げました。なかでもホームデポ(HD)とゴールドマン・サックス(GS)が4%以上の下落となったほか、デュポン(DD)やシスコシステムズ(CSCO)、ウォルト・ディズニー(DIS)、ボーイング(BA)なども3%前後の下げとなっています。ダウ平均構成銘柄以外ではTDK(6762)と合弁会社を設立すると発表した半導体大手のクアルコム(QCOM)が下げています。朝方は買いが優勢だったものの、軟調な地合いに引きずられ下げて終わっています。さらにエネルギー関連企業の財務悪化に対する懸念が強まるなか天然ガスのウィリアムズ・カンパニーズ(WMB)や鉱業のフリーポート・マクモラン(FCX)が大きく下げています。一方で米国のリテール部門のスピンオフ計画を発表した生命保険大手のメットライフ(MET)が上昇し、業績見通しを上方修正したゼネラル・モーターズ(GM)が堅調となりました。
5.為替・金利等
長期金利は米国株安を受けて安全資産の債券が買われ前日比0.01%低い2.09%となりました。ドル円は米国株安でリスクオフとなるなか円高に振れ117円台後半での推移となっています。
【VIEW POINT: 今日の視点】
米国市場の大幅下落に加えて、ドル円も117円台を付け円高となっていることから本日の日本市場は反落でのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均は下げ幅を広げる展開となりそうで、昨日の上昇分を吐き出すような展開となるかがポイントとなりそうです。また、昨日に節目の3,000ポイントを割り込んだ上海総合指数の動向が注目されます。
(マネックス証券 シニア・マーケットアナリスト 金山 敏之)