マネックス証券オリジナル市況概況 (毎営業日、朝夕2回更新。)
- 朝(8時30分ごろ) NY概況および東京市場見通し
- 夕(17時30分ごろ) 東京市場概況および個別銘柄概況
執筆者:マネックス証券 プロダクト部
日経平均大幅安で一時1万7000円割れも引けにかけてやや持ち直す
日本株式市場
日経平均大幅安で一時1万7000円割れも引けにかけてやや持ち直す
1.概況
本日の日経平均は474円安の1万7240円と大幅に反落しました。TOPIXやJPX日経400、新興市場のマザーズ指数など主要指数は総じて下落しました。昨日の米国市場でダウ平均が364ドル下落し、再びリスクオフムードが強まったことを受け日経平均は330円安で寄り付きました。前場の日経平均は寄り付き後も下げ幅を広げると、その後もほとんど反発することなく推移し、前引けは647円安となりました。日経平均は後場に入ってしばらくは前引け水準での推移となりましたが、13時半頃から一段安となり、一時下げ幅は771円に達して1万7000円の節目を割り込む場面がありました。ただその後日経平均は徐々に買い戻されると14時頃から大きく値を戻し、結局1万7200円台での大引けとなりました。全面安の商状で東証33業種は全て下落、東証1部の値上がり銘柄数はわずか104でした。
2.個別銘柄等
東証1部の売買代金トップのトヨタ(7203)から10位のホンダ(7267)まで全て下落しました。中でもソニー(6758)が4.7%安、村田製作所(6981)が5.4%安と下落率が大きくなりました。売買代金11位に入ったTDK(6762)は1.8%の上昇と逆行高となりました。米クアルコム社(QCOM)と合弁会社を設立すると発表したことを受け、今後の業績拡大期待から買われたようです。また、ニコン(7731)は3%高と続伸しました。外資系証券が投資判断を引き上げたことが好感されました。その他材料が出たところでは、ビックカメラ(3048)が4.9%高と大きく上昇しました。昨日の大引け後に発表した9-11月期の決算発表で、営業利益が前年同期比35.8%増と堅調だったことが好感されました。一方、6-11月期の営業利益が前年同期比10.3%減となった人材派遣のパソナグループ(2168)は10.4%安の大幅下落となりました。
【VIEW POINT: 明日への視点】
日経平均は大幅に下落し、一時1万7000円の節目を割り込みました。 昨日の上げのほとんどを吐き出してしまった格好ですが、1万7000円を割り込んでから徐々に値を戻しチャート上で長い下ヒゲをつけたことはある程度ポジティブな材料として捉えられそうです。原油価格や海外株式市場の動向次第で再び安値をつけに行く可能性はありますが、昨年9月と同様1万7000円を割り込んだ後に反発したことで、ある程度1万7000円が下値の目処として意識されやすくなったとみられます。
(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 益嶋 裕)
中国株式市場
上海総合指数は大幅反発
1.概況
本日の上海総合指数は前日比58ポイント高(2.0%)の3,007ポイントと大幅に反発し節目の3,000ポイントを回復しました(年初来で15.0%安の水準)。また、中国の創業板指数(日本のマザーズ市場に相当)は115ポイント高(5.6%)の2,175ポイントと大幅に反発しました。一方、香港のハンセン指数は日本時間16時時点で61ポイント安の1万9872ポイントと小幅に反落しています。
中国市場で上海総合指数は売りが先行したものの、結局上昇に転じ一気に節目の3,000ポイントを回復しました。投資家心理が弱気に傾くなか、オフショア人民元相場で人民元の対ドルレートが再び元安に振れたことが嫌気され、上海総合指数は大きく下落し節目の2,900ポイントを割り込んで寄り付きました。その後下げ幅を縮め2,900ポイントを回復したものの前場は薄商いのなか安値圏での推移が続きました。しかし、後場に入り押し目買いが入るとプラスに転じ上げ幅を広げる展開となり節目の3,000ポイントを回復して取引を終えました。なお、昨夜に中国証券監督管理委員会(証監会、CSRC)が上海・深セン両証券取引所での新規株式公開(IPO)の登録制度の導入にはまだ時間がかかるとの見方を示しました。また、証監会が同時に上場企業の大株主による保有株の売却に対して引き続き管理していくと強調しましたが、どちらも相場への影響は限定的でした。
香港市場では、昨日の米株安と原油安の流れを受けてハンセン指数は大幅に反落して始まりました。その後は上海総合指数が切り返し大幅に反発したことが好感され下げ幅をじりじりと縮小する展開となっています。日本時間16時時点で、公益事業株指数が1%高となった一方、商工業株指数や金融事業株指数、不動産株指数などが下落しています。
2.個別銘柄動向等(香港マーケット、日本時間16時時点まで)
香港市場では原油安を受けて中国海洋石油(CNOOC、0883)をはじめ、中国石油天然気(ペトロチャイナ、0857)や昆侖能源(クンルン・エナジー、0135)などが軟調に推移しています。また、特段の材料出たわけではありませんが小売の康師傅控股(ティンイー、0322)も3%超下落しています。
一方で、原油安が燃料コストの削減につながるとの見方から香港空運大手の国泰航空(キャセイ・パシフィック・エアウェイ、0293)が1%超上昇しています。さらに大手電力の電能実業(パワー・アセッツ・ホールディング、0006)も3%近く買われています。
【VIEW POINT: 明日への視点】
本日の上海総合指数は売りが先行したものの結局上昇に転じ一気に節目の3,000ポイントを回復しました。こうしたなかこのまま3,000ポイントを維持し、3,000ポイントでの底堅さが確認されれば徐々に底入れ期待も高まりそうです。ハンセン指数は原油安が引き続き上値を抑える要因となりそうですが、過度のリスクオフムードが後退していることから節目の2万ポイントを目指す展開に期待したいところです。
(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 林 宇川)