市況概況 - 朝 -

マネックス証券オリジナル市況概況 (毎営業日、朝夕2回更新。)

  • 朝(8時30分ごろ) NY概況および東京市場見通し
  • 夕(17時30分ごろ) 東京市場概況および個別銘柄概況

執筆者:マネックス証券 プロダクト部

米国市場は中国株安や原油価格の下落を嫌気し大幅反落 日経平均は下値模索で昨年来安値を試す展開か

NYダウ: 15988.08  ▼390.97 (1/15)
NASDAQ: 4488.42  ▼126.59 (1/15)

【米国株式市場】
<ニューヨーク市場>

1.概況
米国市場は昨年来安値を更新した中国株や、WTIの先物価格が30ドル割れとなった原油価格の下落、冴えない経済指標などを嫌気し大幅反落となりました。取引開始直後から大きく下げたダウ平均は430ドル安余りまで売られ16,000ドルを割り込むと一旦下げ渋りましたが、再び下げ幅を広げると昼過ぎには530ドル安超まで下落しました。ダウ平均は午後にやや下げ幅を縮めたものの、結局390ドル安の15,988ドルと節目の16,000ドルを昨年の8月25日以来約4カ月半ぶりに割り込んで取引を終えています。またS&P500株価指数は41ポイント安の1,880ポイントとなり、昨年8月25日に付けた昨年来安値1,867ポイントを一時割り込む場面もありました。さらにハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は126ポイント安の4,488ポイントとなり、昨年8月25日に付けた安値4,506ポイントを下回り昨年来安値を更新しています。

2.経済指標等
昨年12月の米小売売上高は前月比0.1%減となり横ばいを見込んだ市場予想と一致しました。また、変動が大きい自動車・同部品を除く売上高は同0.1%減で増加を見込んでいた市場予想に反して減少しています。12月の米卸売物価指数は前年同月比1.0%低下し市場予想と一致しました。変動の激しい食品とエネルギーを除いたコア総合指数は同0.3%上昇しています。12月の米鉱工業生産は前月比0.4%低下し市場予想を下回りました。12月の設備稼働率も前月比0.4ポイント低下の76.5%で市場予想を下回っています。11月の米企業在庫は前月比0.2%減の1兆8097億ドルで市場予想以上に落ち込みました。1月の米ニューヨーク連銀製造業景況指数はマイナス19.37と前月から悪化し2009年以来の低水準となり市場予想を大きく下回りました。一方で1月の米ミシガン大学米消費者態度指数速報値は93.3で前月から0.7ポイント上昇し市場予想を上回りました。

3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は10業種の全てが下げました。なかでも情報技術が3%を超える下落となったほか、エネルギー、金融、一般消費財・サービス、素材が2%以上の下げとなり、資本財・サービスも2%近い下落となっていました。

4.個別銘柄動向
ダウ平均構成銘柄は30銘柄全てが下げました。なかでも前日の取引終了後に決算を発表した半導体大手のインテル(INTC)が利益率の悪化などを嫌気した売りが膨らみ9%を超える下落となり、ダウ平均構成銘柄で下落率トップとなりました。また、デュポン(DD)に加え、投資判断の引き下げを受けてウォルト・ディズニー(DIS)が5%以上の下げとなりました。そのほかシスコシステムズ(CSCO)やマイクロソフト(MSFT)も4%前後の下げとなっています。さらに2008年の金融危機時に問題となった住宅ローン担保証券(MBS)の不正販売を巡る和解金を支払うと発表したゴールドマン・サックスも3%を上回る下落となっています。ダウ平均構成銘柄以外では10-12月期の決算が市場予想に届かなかった資産運用大手ブラックロック(BLK)が大きく下げ、予想を上回る決算を発表したものの新興国へのエクスポージャーが大きいことが嫌気されシティ・グループ(C)も下げています。

5.為替・金利等
長期金利は株式相場の大幅下落や低調な経済指標を受けて安全資産の米国債が買われ前日比0.06%低い2.03%となりました。ドル円は原油価格の下落や米国株安を受けてリスク回避姿勢が強まり、円が買われ一時116円51銭と2015年8月24日以来およそ4カ月半ぶりの安値を付ける場面もありました。朝方は116円台後半での推移となっています。

【VIEW POINT: 今日の視点】
米国市場の大幅下落や円高を嫌気し大幅続落となりそうです。こうしたなか日経平均は下値模索となりそうで、昨年9月29日の安値16,930円を大きく割り込んで昨年1月14日に付けた昨年来安値16,795円を試すような展開となりそうです。先週末に昨年来安値を更新した上海総合指数やドル円の動向に神経質な展開となりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケットアナリスト 金山 敏之)

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