マネックス証券オリジナル市況概況 (毎営業日、朝夕2回更新。)
- 朝(8時30分ごろ) NY概況および東京市場見通し
- 夕(17時30分ごろ) 東京市場概況および個別銘柄概況
執筆者:マネックス証券 プロダクト部
米国市場でダウ平均は原油価格の下落で大幅安 日本市場は売られすぎで下げ渋る展開か
NYダウ: 15766.74 ▼249.28 (1/20)
NASDAQ: 4471.69 ▼5.26 (1/20)
【米国株式市場】
<ニューヨーク市場>
1.概況
米国市場はアジアや欧州での株安やWTIの先物価格が26ドル台を付けた原油価格の下落を受けて下げました。取引開始直後から下げ幅を広げたダウ平均は節目の16,000ドルを割り込み、お昼過ぎには565ドル安の15,450ドルまで売られ昨年8月25日に付けた安値15,666ドルを下回る場面もありましたが、午後に持ち直すと取引終盤には120ドル安近くまで下げ幅を縮める場面もありました。結局ダウ平均は249ドル安の15,766ドルと大幅安となったものの、下げ幅を大きく縮めて取引を終えています。また、S&P500株価指数は22ポイント安の1,859ポイントとなり昨年8月25日に付けた安値1,867ポイントを下回り昨年来安値を更新しています。さらにハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は5ポイント安の4,471ポイントと3日続落となり連日で昨年来安値更新となりましたが、バイオ関連株に押し目買いが入ったことなどで小幅な下げに止まっています。
2.経済指標等
昨年12月の消費者物価指数(CPI)は前年同月比0.7%上昇に止まり市場予想を下回りました。変動が激しいエネルギーと食品を除いたコア指数は前月から伸び率が拡大し同2.1%上昇となりました。市場予想とは一致しています。12月の米住宅着工件数は年率換算で114万9千戸となり前月から2.5%減し市場予想を下回りました。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全10業種のうちヘルスケアを除く9業種が下げました。なかでもエネルギーが3%近く下落したほか、公益事業と金融も2%を超える下げとなっています。
4.個別銘柄動向
ダウ平均構成銘柄は30銘柄中25銘柄が下げました。2015年10-12月期の決算が15四半期連続で減収となったIBM(IBM)が5%近く下落しダウ平均構成銘柄で下落率トップとなったほか、原油価格の下落を受けてエクソンモービル(XOM)が4%を上回る下げとなり、シスコシステムズ(CSCO)も4%近く下げています。一方でダウ平均構成銘柄ではユナイテッドヘルス・グループ(UNH)やナイキ(NKE)など5銘柄が上昇し、ユナイテッドヘルス・グループは2%近い上げとなっています。ダウ平均構成銘柄以外では同業の米アトメル(ATML)を買収すると発表した半導体メーカーのマイクロチップ・テクノロジー(MCHP)が業績拡大期待から買われ、医療保険のアンセム(ANTM)が投資判断の引き上げを受けて上昇しています。
5.為替・金利等
長期金利は原油価格の下落や株安でリスク回避姿勢が強まり0.07%低い1.98%となりました。こうしたなかドル円は欧州時間に一時116円を割り込み115円台を付ける場面もありましたが、米国株が下げ渋ったことから116円台後半まで持ち直しています。
【VIEW POINT: 今日の視点】
米国市場でダウ平均は大幅下落となったものの、下げ渋って大きく下げ幅を縮めて取引を終えたことから本日の日本市場の下値は限定的となりそうです。また、日経平均の25日移動平均かい離率もマイナス10%まで拡大していることもあって、ここからさらに大きく売り込む動きは限られそうです。本日も時間外の原油価格やドル円の動向に神経質な展開が予想されますが、底堅さが確認されればプラスとなる場面もありそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケットアナリスト 金山 敏之)